Driver's Salon
 クルマを愛して止まない「彼ら」との対話。それがレーサー鹿島のドライバーズサロン。

より繊細に進化するF1
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鹿島 :一貴選手のお父さんが現役をやられていた時代ですとか、そのあとのシューマッハが若手だった時代、そして中嶋選手が出られていた近年のF1があって、どうですか、いま客観的にF1を見て難しさや大変さは。

中嶋 :昔と比べれば、競争としてはより繊細になっているかなという気はしますね。昔のF1って本当に、ポールポジションと2番手が1秒くらい平気で離れている時が普通にあったと思うんです。

鹿島 :ありましたね。

中嶋 :今や、17番手から18番手の中堅チームまで1秒あれば多い方というくらいで、そんな差だと思います。そういった中で本当に小さなミスもできないし、開発にしても本当に毎戦毎戦が0.05秒ぐらいずつクルマを速くするというようなことを積み重ねてやっていますよね。そういった意味では当時と比べてもっと繊細になっているし、その分ドライバーのレベルが当時と今でどっちが高いのかは難しいですが、層は厚くなっているんじゃないかなと思います。

鹿島 :1つのコーナーで失敗をしたらポジションが5つ、場合によっては10個くらい。

中嶋 :平気で変わりますよね。だからミスのできないレースになっていますね。

鹿島 :当時ライバルだった選手たちもF1に乗っていますけど、例えば見た目と本当の性格が違うようなドライバーっていましたか。

中嶋 :う〜ん、どうでしょう。ベッテルは見た目が可愛い感じで、それが好きな女性ファンの方も多いと思うんですけど、まあ見た目よりはわがままだなと。

鹿島 :フフフ。

中嶋 :まあ、大体ドライバーはそうなんですけど、ベッテルは多少ギャップがあるほうじゃないですかね。でもだいたいみんな見たままの中身で、そんなに難しく作っている人はいないですね。ハミルトンは多少作っているところがあります。コメントは大人なんですけど、レースでは本性丸出しですし。大体みんなクルマに乗っている時は本性が出ていますね。

鹿島 :ハミルトンは今年は本当に色んな意味で大暴れしています。ちょっと問題発言をしてみたり、謝罪の手紙を書いてみたり(笑) 結構小技が効いているというか。

中嶋 :去年も何かあった気がするし、結構暴れていますよね。

鹿島 :見た目はそんなに物事に動じないような感じですけど、上手くいかない時は精神的なバランスが・・・

中嶋 :あんまりプロというか、アスリートとしては良いことではないと思いますね。僕自身はそういうところはできるだけコントロールしたいと思いますし、理想を言えばそうあるべきだと思います。ただ、みんながそうなっちゃうとつまらないところもあると思いますし、それぞれのキャラクターが出ているという部分ではファンとしては面白いところだと思います。





5歳、父、最後の鈴鹿
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鹿島 :全然話が変わりますけど、僕はアメリカ系のレースが長いので、そんなにハンドルにボタンがついていないんですよ。本当にシンプルで、無線とかちょっとウェイトのバランスを変えるような電動のボタンとか。でもF1ってものすごいボタンがついていますよね。

中嶋 :いっぱいついていますね。

鹿島 :何個くらいあるんですかね。

中嶋 :正確に何個かは分からないんですけど、よくある雑誌の企画でボタンの説明ってやると、ボタンの説明があると大体項目が1から20くらい、色々ついていますよね。

鹿島 :チームが変わったりした時はボタンの配置が変わりますよね。

中嶋 :そうですね。チームが変わると。チームによってボタンの配置が違うし、同じ機能でも表現の仕方が違うので、そこから覚えなければいけないし。僕は結局、テストドライバーも含めて3年間同じチームだったので、そこは幸い1回慣れてしまえば変える必要はなかったんですけど。

鹿島 :僕はミハエル・シューマッハ選手が大好きで、たまたまなんですけど同い年なんですね。彼がF1デビューしたばかりの頃、だれも取材陣が来ていなくて、2人でじっくり話し合ったりしていたんです。同年代の選手がトップのF1で今でも走っているというのはすごく励みになるんですけど、たぶん20種類のスイッチが使いこなせていないんじゃないかと、そんなことを最近思っちゃったりするんですけど(笑)。

中嶋 :どうなんでしょうね(笑) でも似たようなことにはなっていたと思うんですけどね。でもだんだん、若い人の方が色んなことに対応できるっていうのはあると思いますし、そういうところで多少は余計なことを考えなければいけなくなってしまうかも知れないですね。そういった意味では難しいでしょうね。

鹿島 :今年はまたKERSが復活しています。回生ブレーキでエネルギーを溜めるとオーバーテイクに使えるという。それともう1つが、前のクルマから1秒以内に、ある一定のコーナーで入っていれば次の直線でボタンを押すと速くなるDRS。これはウィングの角度が空気抵抗のない方向に動くというものなんですけど、ほとんどゲームの世界ですよね。

中嶋 :発想はゲームから来ていますよね。でもその結果、レースは面白くなっているとは思いますけど。ただ、わけわかんなくもなっていますよね。

鹿島 :あとはよく壊れたりもしますし、エネルギーが溜まっているはずが溜まっていなかったりとか。

中嶋 :そうですね。ウェバーはKERSに対してよく文句を言っているイメージがありますし(笑)。

鹿島 :そう。レッドブルはトップチームですけど、いまいちシステムが安定していないですよね。

中嶋 :ちょっとそうですね。でも安定していなくても勝てちゃうっていうのは、逆にすごいと思いますね。

鹿島 :確かに。全くレースの本筋とは関係ない話ですけど、ジェンソン・バトン選手がこの間カナダで逆転優勝しましたが、ジェンソン選手は、よく道端ジェシカさんとサーキットに金曜日くらいから同行してきらびやかな雰囲気で登場しているじゃないですか。この辺ってどうですか、昔はそういうドライバーさんが多かったんですが、最近は奥さんとか婚約者の方を連れてくる方が相対的に減っているんじゃないかなって思ったんですけど。

中嶋 :う〜ん、そうですかね? まあ若いドライバーはあまりそういうことはしないですよね。ハミルトンくらいで。あとは連れてきたとしても注目してもらえないかどっちかですよね。

鹿島 :なるほどね。

中嶋 :たぶんジェンソンと道端さんのカップルはやたら目立っているので、それが全部持っていっているだけっていう気がしなくもないですけど(笑)。

鹿島 :僕はサーキットに家族や身近な人を連れてくるということで思い出すのは、中嶋一貴選手のお父さん、中島悟さんの最後の鈴鹿の時に、幼少の頃の一貴選手とお母さんが一緒にサーキットにいたのをフジテレビで観ているんですけど、あの頃は4歳くらいですか?

中嶋 :ええと、5歳かな。

鹿島 :覚えてます?

中嶋 :覚えてますね。最後はオーストラリアにも行ったんですね。アデレードっていう市街地コースで、雨でした。ちょうど2年前に同じようなコンディションで同じように後ろからスタートして、4位になっているんですよね。それを知っていったので同じことを期待していたんですけど、同じようにはいかず早々にクラッシュして終わって、かなり残念だった記憶が残っていますね。

鹿島 :1週だけでは中嶋選手のお話は聞き切れませんから、来週またこの続きをお願いします。

中嶋 :よろしくお願いします。






今週は、F1ドライバーを経て、
今シーズンは国内の2つのトップレースで活躍している
レーシングドライバーの中嶋一貴選手をお迎えしました。

ドライバーズサロン!
来週も中島一貴選手をお迎えしてお送りします。
お楽しみに!




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