Driver's Salon
 クルマを愛して止まない「彼ら」との対話。それがレーサー鹿島のドライバーズサロン。

我らがカムイが頂点に立つ日

(5月15日放送)
高橋浩司

高橋浩司
(たかはし こうじ)

「F1速報」「月刊F1レーシング」編集長を経て、両誌のスーパーバイザーへ。
90年代初頭から、国内外で様々なカテゴリーのモータースポーツの取材を担当、膨大な知識と軽妙な語り口調でコメンテーターとしての人気も高い。
2006年からはじまった東京お台場のビッグイベント「モータースポーツジャパン」の運営にも関わる。

1967年7月17日生。
北海道札幌市出身。

このコーナーでは、レース関係者はもちろん、車を愛してやまない各界の有名人をゲストにお招きして、カーライフやレースのエピソードなど、その人物の本音にレーサー鹿島が迫ります。

今週は、レギュラーコメンテーター、『F1速報』『月刊F1レーシング』スーパーバイザーの高橋浩司さんをゲストに最新情報を伺いたいと思います。じっくりとお楽しみ下さい。

不動のTOP10に食い込む強さ
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鹿島 :今週のゲストは、『F1速報』『月刊F1レーシング』編集長を経て、現在はスーパーバイザーの高橋浩司さんです。よろしくお願いします。

高橋 :よろしくお願いします。

鹿島 :先週のトルコグランプリでも小林可夢偉選手が10位入賞。しかも24番グリッド、最後列からの追い上げで入賞を果たしまして、これで4戦連続の入賞圏内フィニッシュ。

高橋 :なかなかやるなって感じじゃないですか、今年は。

鹿島 :最近はF1をテレビでご覧になってない方も多いようなんですけど、レッドブルという毎回優勝しているドリンクメーカーのチームがありまして、それからフェラーリ、ルノー、メルセデス、さらにマクラーレンという。5チーム10台は何もなければ10番手以内に入るクルマたちです。

高橋 :1チーム2台ずつ、そして5チームが鉄板のトップテンコンテンダーですから。10台までは順位として埋まってしまうんですが、可夢偉選手はとにかくそこに割って入って、2台のうちの調子の悪いほうの1台くらいは必ず喰うくらいの勢いを見せてくれていますよね。

鹿島 :相当ヨーロッパでも人気が高まっているみたいですね。

高橋 :そうですね。彼がインタビューを英語で答えているのを見ても、かなりユニークな受け答えをしています。レースでのアグレッシブさも去年の日本グランプリあたりから非常に評価が高まっていますね。

鹿島 :オールドファン、昔からF1をご覧になっている方はよく覚えてらっしゃると思うんですけど、ジャン・アレジ。

高橋 :ああ、そういうタイプですね。

鹿島 :先日、小林可夢偉選手のマネージャーの宮川マリオさんにご出演頂いたんですね。いつも間近で接している宮川マリオさんがおっしゃるには、20年間マネージャーを担当していたジャン・アレジに非常に似ていると。ティレルという非力なマシンで、アメリカのフェニックスグランプリで上位争いを展開していた頃のジャン・アレジに非常にスタイルが似ていて、どんな状況でもとにかくがんばる。「魂が走っているようなF1ドライバー」というお話しでした。

高橋 :素晴らしい表現ですね。

鹿島 :そんな感じしますよね。

高橋 :そうですね。それで一見ファイターに見えるんですが、かなり冷静に走っているんですよね。アグレッシブに見えても彼なりにタイヤのマネジメントとかエンジンとか、マシンの全てを把握しながら戦略を常に考えて、この時自分はどうすればいいか、ペースを落としてタイヤをセーブすることもちゃんとできるドライバーという印象がありますね。

鹿島 :タイヤの使い方。今年は特に前回のトルコグランプリでは4回もタイヤを交換しています。今年からタイヤメーカーが変わりまして、タイヤの持ちが悪くなっているわけですよね。そんな中でどんどん先に色んなドライバーが入っていって、テレビの画面を見ていますと可夢偉選手が上位にくるじゃないですか。おっと6番手くらいに入っているぞと。でも大体このパターンだと全車がタイヤ交換を終えた後に、また順位が下がるということが多かったですよね。それが今は、タイヤ交換が終わってもきちんとそこそこの位置に残っているというシーンが多いですよね。

高橋 :さっき申し上げた、わりと鉄板の上位5チームに比べて、小林可夢偉選手のドライビングスタイルもそうですし、ザウバーのC30というクルマの特性もそうなんですけど、わりとタイヤが減りやすい、摩耗しやすいという中では比較的タイヤの持ちがいい、タイヤに優しいドライビングスタイル、クルマであると。それを武器にしているので、上位陣がタイヤ交換に入る2周先で小林選手が入る。結果的に1回ピットストップが少ないということもあります。それが彼らの今の武器、それが10位以内でフィニッシュできる一つの大きな要素でもあると思いますね。

鹿島 :ラジオをお聴きの方は、タイヤの減りが悪いとか持ちが悪いと聞いても、分からないですよね。相当高性能なタイヤをつけていても、休日にレースに出るようなことをしない限りはどんな方でもタイヤ数ヶ月あるいは2〜3年はもつものじゃないですか。

高橋 :そうですね。

鹿島 :レースの場合って本当に1回ブレーキを強く踏みすぎて、白い煙がパッと出るようなことが起きただけで、基本的にはアクセル全開で走れなくなるほど表面が削れるんですよね。

高橋 :特に今年から供給タイヤメーカーが変わりました。F1を少しエキサイティング方向に振ろうということで、統括団体であるFIAに対して、少し持ちの悪い方向のタイヤを供給して欲しいという要請があったようなんですね。最近のデータですと、1スティント走ってタイヤを交換すると1.5キロもタイヤが軽くなってしまう。そんなにゴムが削れちゃうんだっていうくらいに減ってしまうようですよ。


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今年の見どころはオーバーテイク