Driver's Salon
 クルマを愛して止まない「彼ら」との対話。それがレーサー鹿島のドライバーズサロン。

”遊び方”を忘れたニッポンの大人たちへ

(12月12日放送)
桐島ローランド

桐島ローランド
(きりしま ろーらんど)

ニューヨーク大学写真科卒業後、フォトグラファー、マルチクリエイターとして幅広いシーンで活躍中。
30歳の記念にオートバイで47都道府県を巡り、36歳の年、この番組がきっかけでレーサー鹿島と共にオートバイ耐久レースにデビュー。その後“夢のダカールラリー”へ初挑戦し完走を果たした他、自動車の耐久レースや、クラシックカーラリーイベントへ参加するなど、モーターフリークとしてその活動の場を広げ続けている。

このコーナーでは、レース関係者はもちろん、車を愛してやまない各界の有名人をゲストにお招きして、カーライフやレースのエピソードなど、その人物の本音にレーサー鹿島が迫ります。

今週は、オートバイとクルマを愛してやまないフォトグラファー、桐島ローランドさんをお迎えします。じっくりとお楽しみ下さい。

“360度の地平線、2度目のモンゴルを経て
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鹿島 :今週のゲストは桐島ローランドさんです。よろしくお願いします。

桐島 :ごぶさた、でもないですけど。よろしくお願いします。

鹿島 :6月、ちょうどモンゴルラリーに行く直前に番組に来て頂いたんですけど、モンゴルはどうでしたか。

桐島 :今回はクルマだったのでどうかなーと思ったんですけど、楽しかったですね。

鹿島 :バイクとクルマの違いってやっぱりありますか。景色とか大変さとか。

桐島 :やっぱりバイクの大変さはちょっと異常で、だから正直、今回は楽しめたんですよ。バイクの時は楽しくなくて辛いだけだったんだけど、クルマもそれなりの大変さはあるけど、バイクと比べるとね。コケることがないじゃないですか。ずっと洗濯機の中に入っているような状態だから首は痛くなりましたけど、それくらいで。今回は僕はナビゲーターだったんですよ。だからすごく楽しかったですね。

鹿島 :いまラジオをお聴きの皆さんは、なかなかモンゴルラリーのビジュアルをイメージ出来ない方もいると思うので、ちょっと紹介してもらえますか。

桐島 :正式名称は『ラリー・モンゴリア』という、結構歴史の長いラリーです。もうかれこれ14年〜15年やってるんじゃないかな。日本人がオーガナイザーで、SSERという四国のイベント会社がやっているレース。すごくアットホームで、参加者は8割方が日本人。あとはモンゴルの方とかロシアの方とかドイツの方とか、色んな国の人達が来ているんですけど、レース自体は7日間、それもちょうどお盆の時期なので日本人にとってはとても行きやすい時期です。なおかつモンゴルが一番良い季節なんですよね。寒すぎず暑すぎずで。そしてモンゴルって本当に360度の地平線の素晴らしい絶景。ただ、案外モンゴルラリーって、一応エントリーレベルのラリーって言われていて簡単ではあるんですけど、ナビゲーションはパリダカよりも難しいです。

鹿島 :じゃあ道がすごく大変っていうことですね。道を的確に選んでいくのが。

桐島 :そうなんですよ。モンゴルって基本的に道が無いんです。都会にはありますけど、田舎に行くと轍の、人が勝手に造っちゃった道で、ピストと呼ばれているんですよ。そういう道が蜘蛛の巣状に出来ていってしまう。要するに“オレの家からアイツの家の最短距離”で道を勝手に造っちゃう。

鹿島 :人が歩いているところに、自然に道が出来ているという。

桐島 :そう。だからあみだくじ状態になっていて、街の近くに入るとすごく道が交差するんですよね。だからどんなにナビがルートブックどおりにやっても、アレ、今どこにいるの?っていう感じになっちゃうんです。本当に「1メートル先を左」とか。

鹿島 :ええ〜!?

桐島 :それは大げさですけど、10メートルくらいは指示としてあります。

鹿島 :今回はジムニーで出場したんですよね。

桐島 :ジムニークラスっていうのが今回できて、4台走ったんですよ。そして4台とも完走しました。

鹿島 :その中で成績はどうだったんですか。

桐島 :いやいや、僕はもちろん…3位だったんですけど。

鹿島 :いいじゃないですか、3位! 3位までがひとくくりですからね、レースは。おめでとうございます(拍手)!

桐島 :すいません(笑)。

鹿島 :でも今まで、必ず何らかの成果を絶対に持って帰ってきてくれますよね。

桐島 :一応テーマは“無事に”。やっぱりレースで事故を起こしちゃうのはもったいないし、怪我もなるべくしたくないし。だから、ちょうどギリギリの安全マージンをなるべく確保したままで、ちょっとリスクを取るっていうのをテーマにしているので。今回もすごいでっかい轍に落ちちゃって。2メートルくらいの轍に落ちちゃったんですよ。それでもう諦めてたんですけど。

鹿島 :ちょっと待って下さい。2メートルって…深さが2メートルですか。

桐島 :そうですよ。だからもう片輪が落ちてニッチもサッチもいかなかったんだけど、運が良くその日はリバーススタートで、後ろから速い人がバンバン来てくれたんですよ。

鹿島 :ああ〜っ! なるほど!!

桐島 :そしてカミオンが通ったんで、カミオンの菅原さんの息子さん…テルくん(菅原照仁)の方ね。日野レンジャーの。そこで土下座して、止ってください!って言ったら止ってくれて牽引フックをつけてくれたので、すぐに出られました。

鹿島 :フフフ。でも、カミオンクラスで日野さんあたりだと、当然トップ争いをしているわけじゃないですか。よく止ってくれましたね。

桐島 :そうなんですよ。だからまさにトップ争いをしているから、本来、パリダカとかだったら止ってくれなかったと思うんですよ。ただあくまでこれはアットホームな楽しいラリーなので。土下座もしたしね(笑) ただやっぱり、ラリーっていうのは人間関係を蓄積していって仲間が出来るとね、案外その人が「自分もしんどいけど、こいつは仲間だから止ってあげよう」ってなるんですよ。僕もそういう意味では、本場のパリダカに出た時にビリッけつだったけど、本場のワークスライダーが目の前でコケたんですよ。だけど止ってあげて自分も大変だけどバイクを持ち上げるのを手伝ってあげたんですよ。そしたらゴールしてから「ありがとよ」って言ってくれるんですよ。

鹿島 :またそれが翌年とか翌々年に恩返しで返ってくるかも知れない。

桐島 :そういうのがあるんですよ。一応みんなゼッケンを覚えてくれているから、「お前はわざわざ、色々とやってくれたな」って。そういうのがあるんです。どこか騎士道じゃないですけど、そういうのがありますよね。


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360度の地平線、2度目のモンゴルを経て