Driver's Salon
 クルマを愛して止まない「彼ら」との対話。それがレーサー鹿島のドライバーズサロン。

東へと向かうF1経済
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鹿島 :F1日本グランプリ、小林可夢偉選手の活躍以外にも見所はたくさんあると思うんですが、まだポイント争いでは5人くらいのドライバーにチャンピオンの可能性がありますよね。

高橋 :そうですね。イタリアグランプリとシンガポールでは、フェラーリのアロンソが連勝しました。これはちょっとビックリしたくらいなんですけど、アロンソがいま選手権で2位、1位はレッドブルレーシングのマーク・ウェバー選手。それからマクラーレンのジェンソン・バトンとルイス・ハミルトン、それからレッドブルのセバスチャン・ベッテルの5人で、日本グランプリを含めて残り4レースで激しいポイント争いをするんじゃないかと思います。

鹿島 :鈴鹿サーキットでは、どういう戦いになるとみていますか。

高橋 :シンガポールの事前予想もそうだったんですけど、ダウンフォースが非常に強いレッドブル・レーシングが大変有利だと思っていたんですが、フタを開けてみると実はフェラーリも同じような特性のコースで力をかなり発揮するようになってきたので、これはもうシンガポール同様、アロンソ対ベッテルという戦いの構図になるんじゃないかという気はしています。

鹿島 :両方とも日本でも非常にファンの多い、キャラの濃い選手ですから盛り上がりそうですよね。

高橋 :この2人の戦いは、本当に予選のQ3=ファイナルセッションから注目して、タイムアタック合戦から観て欲しいですね。

鹿島 :カラーリング的にも、1台は真っ赤でもう1台はよくコンビニでも売っているあのレッドブルそのものが走っている状況で(笑) 非常に分かりやすいですよね。

高橋 :分かりやすいですね。

鹿島 :自動車メーカー対ドリンクメーカー。

高橋 :まあでも、この2台はかなり飛び抜けていると思います。

鹿島 :ちなみにセバスチャン・ベッテルという選手は、今年のF1をご覧になっている方はよくご存じだと思いますけど、若手でドイツ出身でミハエル・シューマッハの後継者と言われています。わりと「あっ!」と思うような事件が起きますよね。

高橋 :そうですね。ちょっとしたミスが致命傷になることが今年は非常に多くて、前を走るバトン選手にブレーキングでミスをしてぶつかってしまったりとか、前回のシンガポールもいいレースをしていて、彼には本当に勝てる力を持っていたんですけど、予選でアロンソが最初にいいタイムを出しちゃったことで、焦った気持ちがあったと思うんですが、ベッテル選手は2回のアタックともちょっとミスをしてしまって、僅かの差で2番手。そして抜けないサーキットでアロンソに前に行かれてしまい、完全に正気を失ってしまった。そこの歯車を上手く合わせることが出来れば、日本グランプリは本当に速いと思います。

鹿島 :このセバスチャン・ベッテルという選手は見かけはすごく可愛らしい感じじゃないですか。そして速いのに時々とっちらかるというか…そういうところがものすごく人間くさいドライバーだなという気がして。

高橋 :そうですよね。

鹿島 :ガッカリしている表情って独特ですよね。

高橋 :まだまだ未完の大器というか。アロンソはもうチャンピオンも獲っていますし、ある程度は完成された速さと強さを持っていますが、ベッテル選手はこれから色んなミスをしながら学んで、今年は獲れなくても将来何年かのうちに必ずチャンピオンになれる器だと思います。

鹿島 :ぜひ日本グランプリ、予選や決勝以外にも特番が組まれるでしょうから、その辺の表情あたりも見て頂くと。

高橋 :注目してもらいたいですね。

鹿島 :機械だけではなく人が戦っているんだという感じを、彼は本当に表していると思いますね。ところで最近、世界の経済の動向が変わってきているわけですが、F1はこれからインドで開催されるという噂もありますし、ローマでもという話もあります。それからアメリカはもう決定で、今新しいサーキットを建設中ですよね。今のF1の経済ってどういう風になっているんですか。

高橋 :ヨーロッパが発祥ですからヨーロッパ中心ではあるんですが、どんどんと東を目指しているという表現がされています。来年以降の新しい開催地の候補が挙がっています。お客さんが多いところというよりも、国や自治体が非常に誘致に熱心で、経済効果を狙ってF1を呼んで発展させようというような開催地がこれからどんどん増えていくんじゃないかなと思います。

鹿島 :最近は本当に増えましたもんね。バーレーンもそうですしブラジルも復活して。

高橋 :F1の経済構造からすると、そういうのが自然の流れかも知れないんですが、そこにちゃんとファンがいて定着してくれれば一番いいんですが、それが上手くいかずにトルコグランプリみたいに観客席がガラガラとか、そういう方向に行ってしまうと残念ですよね。

鹿島 :先日行なわれて、高橋さんも現地にいらっしゃったシンガポールグランプリ。テレビで観るとあのナイトレースはものすごいお客さんで、かなりスタンドも盛り上がっていましたね。

高橋 :シンガポールという非常に小さい国なんですけど、金融でも世界のロジスティックスのセンターでもあります。シンガポールは本当にバブルの頃の日本を思い出すような(笑) すごい発展ぶりですね。新しいビルがどんどん建っていて、そこに日本のゼネコンなんかの看板もよく見られたんですけどね。

鹿島 :フフフ。

高橋 :本当に、東京の景気が良い時に、東京の真ん中でレースをやったらあんな雰囲気になるのかな〜という印象を持ちましたね。

鹿島 :あ〜、なるほどね。皇居の方から抜けていってレインボーブリッジを渡って、お台場のところでUターンして…なんて色々とありましたよね、当時はそういう噂が。

高橋 :構想はいくつかあったはずなんですけどね。

鹿島 :ですからこれからは、F1が新しく開催されるとか、そういう契約の話が新聞やニュースに出ると、その国にいかに勢いがあるかっていうのが分かるという構造ですよね。

高橋 :それが分かりますよね。





観戦前の予習が大事です
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鹿島 :さて高橋さん、木曜日にシンガポールグランプリの特集号で『F1速報』が発売されていますが、9月18日には“日本グランプリ大特集”が発売されています。

高橋 :毎年恒例なんですけど、これは鈴鹿の観戦にお役立て下さい。

鹿島 :やっぱり全部熟読して、勉強してから行った方がいいという。

高橋 :色んな見所は頭に入れて、あるいは会場を歩く時はマップをある程度頭に入れてから行った方が、より観戦は楽しくなるんじゃないかと思いますね。

鹿島 :よく新譜が発売されたばかりの時や、アルバム発売直後のコンサートに行く時、アルバムを何度も聴いて行くのと聴かずに行くのでは、だいぶノリが違ったりっていうのもありますけどね。

高橋 :それはもう全然違いますよね。初めて聴くのだとやっぱりノリ切れないじゃないですか(笑)。

鹿島 :それに近いものがありますよね。あとは、最近久しぶりにF1を観た方によく聞かれるのが「何のチームか分からない」というのがあります。カラーリングが少し前のF1とは違うという。フェラーリとかマクラーレンは変わっていないですけど、確かに4〜5年観ていないとなんだか分からないという。

高橋 :小林可夢偉選手のクルマは真っ白なのですぐ分かると思うんですけどね。

鹿島 :だから、ほとんどメインスポンサーがついていないというクルマですよね。

高橋 :そういうクルマが多いですけどね。これも今の経済状況では仕方がないのかなと思います。

鹿島 :でもそういう状態でも、F1というすごくコストの掛かるレースを戦えているっていうのは、やはりチームの皆さんの情熱なんですかね。

高橋 :情熱と、上手い仕組みと、どこかから目に見えないお金が上手く流れているのがF1なんじゃないかなという気がしますけどね。

鹿島 :フフフ、その辺はまた今度じっくり教えてもらえますか。

高橋 :分かりました。

鹿島 :今聴いてらっしゃる皆さんも、実は一番そこが聴きたい! みたいなところかも知れないです。なかなか語られませんからね。

高橋 :そうですね。まあスポンサーは見えているところだけじゃないですからね。

鹿島 :良い言い方をすると、F1という夢に共感をして私財を投げうっている、ポケットから出しているという人もいますからね。

高橋 :そういう人もいると思いますね。

鹿島 :その額がすごいんですよね。この辺のF1のお金に関しましては高橋さんは詳しいですからね、また改めてオフシーズンにじっくり伺いたいと思います。本当にお忙しい中ありがとうございました。鈴鹿は何曜日から行かれるんですか。

高橋 :水曜日の夜に入ろうと思っています。

鹿島 :また現地で感じたことなど、ぜひスタジオで披露して下さい。

高橋 :よろしくお願いします。






今週は、『月刊F1レーシング』『F1速報』のスーパーバイザー、
番組F1コメンテーターの高橋浩司さんをお迎えしました。

ドライバーズサロン!
来週も素敵なゲストをお迎えしてお送りします。
お楽しみに!




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