Driver's Salon
 クルマを愛して止まない「彼ら」との対話。それがレーサー鹿島のドライバーズサロン。

事故を超え走り続ける、その先にあるもの。

(9月5日放送)
青木拓磨

青木拓磨
(あおき たくま)

1982年、小学生3年生でポケバイを始め瞬く間にチャンピオンを獲得、ミニバイクレースでの活躍を経て90年にロードレースデビュー。95年、96年と「全日本スーパーバイク選手権」を連覇した後、97年に世界最高峰の「GP500(現MotoGP)」に参戦、初年度ながら世界ランキング5位を獲得。98年、テスト走行中に転倒し脊髄を損傷。翌年からホンダチームの助監督として「鈴鹿8時間耐久」を三連覇した。

2007年からは、ハンドドライブのクルマで「アジアクロスカントリーラリー」へ出場中、2009年にはダカールラリーへ初出場を果たす。2010年、友人でレーシングドライバーの土屋武士と組んで「スーパー耐久シリーズ」へ初出場。「ル・マン24時間」を目標にレース活動を行う一方で、モータースポーツ文化の普及や後進の育成にも積極的に取り組んでいる。

このコーナーでは、レース関係者はもちろん、車を愛してやまない各界の有名人をゲストにお招きして、カーライフやレースのエピソードなど、その人物の本音にレーサー鹿島が迫ります。

今週のゲストは、元世界グランプリライダーで、現在は手を使ってアクセル・ブレーキを操作するハンドドライブのクルマで海外のラリーや国内の耐久レースで活躍している青木拓磨さんをお迎えします。じっくりとお楽しみ下さい。

バイクからクルマの世界へ
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鹿島 :今週のゲストは、元世界グランプリライダーで、現在は四輪ラリーやレースに参戦している青木拓磨さんです。よろしくお願いします。

青木 :よろしくお願いします。

鹿島 :今日はお越し頂いてありがとうございます。

青木 :こちらこそ。

鹿島 :有名な青木選手ですけれども、3人いますからね、三兄弟で。

青木 :そうですね。僕は次男なんですけどね、長男と三男がいて。

鹿島 :青木拓磨さんはポケバイで活躍した後に、国内のスーパーバイクでチャンピオンを獲って、それから世界グランプリ、GP500、いわゆるトップカテゴリーに挑戦して、1997年に年間ランキング5位。その後、1998年にテスト走行中に事故にあって脊髄を損傷するという。

青木 :そうですね。いまで言うMotoGPっていうクラスなんですけど、青山博一という選手が日本人では戦っていますけど、そこのクラスで走っていた。いまから13年〜14年前ですね。テスト走行中で転倒して脊髄を損傷してしまったというのがあって、そこから足が不自由になってしまって車いすの生活になってはいるんですけど、ただやはりレースに対する情熱であったり想いというのが消えなかったんですね。だから絶対にレースをやりたいし、自分は怪我をしたからって諦める必要は全くないなっていうのもね、色々とラジオを通じて話が出来ればなと思っています。

鹿島 :その後に、テレビの解説ですとか有力バイクチームの助監督、スーパーバイザー等をやられてご活躍していたんですけど、ある時に四輪レースの世界に青木選手がやってきまして。

青木 :フフフ。

鹿島 :我々、タイヤが四つついているクルマの業界の者からしますと衝撃でしたし、手を使ったハンドドライブのクルマでどういうレースやラリーをされるのかなって思っていたんですけど、ハンドドライブ、手を使ってマシンをコントロールする装置を目にしたことがある方ってそんなにいらっしゃらないと思うんですよね。これは分かりやすく説明して頂きますと、どういう風に操るんですか。

青木 :分かりやすく…う〜ん(笑) 色々と種類があるんですけど、オーソドックスなやつだと、ハンドルの左下にレバーが出ていまして、“押すとブレーキ、引くとアクセル”っていうのが基本の操作なんですよね。ただ、僕も思うんですけど、普通の人よりも運転は上手いです(笑)。

鹿島 :おおっ、それはなぜそう言い切れるんですか。

青木 :いや、絶対に、人間工学的と言いましょうか、足の指よりも手の指の方が細かくコントロール出来るじゃないですか。

鹿島 :なるほど。

青木 :足の親指と人差し指で、豆を掴んで動かすというのは、出来ないじゃないですか。

鹿島 :フフフ。そうですよね。

青木 :その動作と、自分の右手、利き腕の親指と人差し指で豆を掴むのとでは…。

鹿島 :圧倒的に違いますよね。

青木 :それを手でやっているっていうだけなので、確実にアクセルコントロールやブレーキコントロールは手の方が有利なんですよ。

鹿島 :ものすごく繊細なコントロールをしているっていうことですよね。

青木 :はい。その通りですね。

鹿島 :じゃあいわゆる、操作系のレバー以外の部分は市販車そのまま?

青木 :はい、そうですね。


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