Driver's Salon
 クルマを愛して止まない「彼ら」との対話。それがレーサー鹿島のドライバーズサロン。

福岡の“森を目指したビル”
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

鹿島 :横田さんは今回のエコミッションで、九州をプラグインハイブリッドでドライブされているわけですけど、何か講演以外に気になったスポットですとかありましたか。

横田 :福岡の天神というところの公園の横に、アクロス福岡っていうビルがあるんですけど、中はイベントホールとか事務所なんですけど、片側が斜めになっていて段がついていて、“森を目指したビル”って言われているんですよ。14年前にできたんですけど、僕が10年前に行った時にはもう草が生えていたんですけど、聞いた話では「60年後には森になる」んだと。森を目指したわけですよ。カッコいいでしょ? いまから20年前に、森を目指したビルなんてさ、すごいと思いません?

鹿島 :お手元にある写真が、その“森を目指したビル”の写真ですね。

横田 :ええ。すごいでしょ。

鹿島 :だいぶもう…森を目指したというか、もうすでに森ですね。

横田 :森ですよ。これが段になっていてね、もっとすごいのは、僕が訪ねた時は3万7000本くらいの木が植わっていたんですけど、いまは5万本になったそうです。だから自然に木が増えたんですよね。鳥だとか小動物が種を運んだり色んなことをして、少しずつ森になろうとしているんですよ。だからたまげましたね。

鹿島 :これは素人的な発想ですけど、夏は涼しいんですか。

横田 :そうそう。だから温暖化の防止にも役に立っている。酸素も作っているわけですね。植林の木じゃなくて、広葉樹だとかそういうものだから、ちゃんと葉っぱの裏に酸素を吸収するものを持っているわけですよね。それで要するに、ヒートアイランド現象も抑えているわけですよ。だからあらゆる意味で、今になったら最も世界に誇るビルになっちゃったわけですよ。だから僕はそれをOKして作ろうって言った人はすごいなと思ってね。

鹿島 :特に名前が残っているわけじゃないんですよね。

横田 :その人を褒めてあげたいですよね。この時代に。

鹿島 :一時期、屋上庭園というのが、流行ったといったら言い方は悪いんですけど、よく高いビルの屋上から見えましたよね。

横田 :ありましたよね、屋上緑化ってやつ。各社が必死になってやるんですけど、あれの問題はですね、草木っていうのは植えるのは簡単なんです。植林ていうのは誰でも出来る。でも翌日から丹念に水をあげたり土を固めたりしなければいけない。その維持の方がはるかに大変なんですよ。ですからいま屋上に上がると緑化どころじゃないですよ。もう取り払っちゃったところもあるし。

鹿島 :続かなかったってことですね。

横田 :東京タワーの上から見るとそうですよ。以前は緑化がちょこちょこ見えたけど、いまはほとんどないですからね。そんだけ維持できない。それから言ったらこれはすごいでしょ。

鹿島 :福岡市はこういったことに力を入れているんでしょうか。

横田 :市役所にね、一個だけ充電器があるんですよ。プラグインハイブリッドが行くと電気がとれる。「無料」って書いてあるんです。一年前に作ったんだそうです。それで、まだプラグインハイブリッドが走っていない頃、いまもまだ市販はされていませんが、“地球温暖化課”っていうのがあって作ったんだそうです。それでみんなに色々言われたんですけど、僕らが初めてそこに行って充電したって言ったらすごい喜んでくれてね(笑)。

鹿島 :初めてだったんですね。

横田 :そう。使った人は僕らが初めてだったんですよ。そしたらテレビまで来ちゃって大騒ぎだったんですよ。

鹿島 :これからどんどん増えていくんでしょうね。

横田 :そう。福岡そのものが、“エレクトリックシティ”というのを目指していまして、この充電器を設置するのに補助金10万円を出しているんです。ですから近い将来、エレクトリックで走れる公道を作ろうとしているわけですね。





すぐ未来の自動車環境
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

鹿島 :ところで、横田さんは自動車環境評論家でいらっしゃるわけですけど、最近はハイブリッドもどんどん普及して、いわゆる補助金が出る間にプリウスが間に合わないんじゃないかみたいな話ですとかね。あとはだんだん電気自動車も手が届くプライスに落ちてくるとか色んなことが言われていますけど、実際にどうでしょうか、電気自動車に関して言いますとこれからどうなりますか。

横田 :そうですね、電気自動車は首都圏で、20〜30km圏内で往復できる生活圏しかない人には最高でしょうね。そういうのがいいと思います。首都圏こそCO2を削減しなければいけないから。ゼロエミッションですからね、電気は。ただね、インフラ・充電がどこまでできるか。昔、スイスとイタリアの国境にメンデルシオという小さな4000人くらいの街があって、そこがテストケースとして街を全部電気自動車にしたんです、スクーターもです。要するに駐車場も全部電源のやつを入れて、カフェにも入れて、それですごく便利なんだろうなーと思っていたら、僕がプリウスで行って、電源を繋げてた女の子を僕のプリウスに乗せてやったのね。そしたらつくづく言ってましたよ。「ああ、これでパリに行ける」って(笑) そこからパリまで200kmあるんですよ。彼女たちはね、自分の50kmくらいの圏内でしか生活できないんだって。で、パリに行く時どうするのって言ったら「友達で、隣町で普通のクルマを持っている人と交換して、お互いにシェアしながらやらなきゃいけない」と。パッと行ったりちょっとデートしたりはできない。

鹿島 :なるほどね。言うのは簡単ですけど、実際にそれで生活をするとなると色々と不安が出てくるということですね。

横田 :そうなんですよね。だからある日ね、ちょっとどうしても埼玉県まで行かなきゃいけないとか、長野まで行かなきゃいけないとなった時に、夜なんかだと特に困っちゃいますでしょ。クルマってそういう時に役に立つわけだから。電気自動車に乗っている人にシェアする深夜もやってるレンタカー屋さんというのがあって、そこでコインを入れて借りられて帰ってこられるという商売もでてくるかも知れない。

鹿島 :なんかちょっと、近未来にありそうな、北海道ツーリングにそれで行ってしまうみたいな。

横田 :そうそう。それで乗り継いで行くとかね。シェアっていう新しいシステム。ですから産業が発達するかも知れないんですよ。

鹿島 :なるほどね。新しいレンタカーのスタイル。

横田 :ええ。それと、プラグインハイブリッドっていうのがあるでしょ。寝ているうちに電源をもらえるわけですよね。これも、これからできてくるマンションやビルっていうのは全部、200ボルトのアース付きの三穴のやつが全部セットになると思うんですよ。そしてそれも売りになるんですね。レストランでもね、「うちのは電源がついていますよ」とかね。

鹿島 :ホテルもそうですよね。

横田 :そうですね。「うちのホテルは電源が20台あります」みたいなことになるわけですよ。だから新しい産業としては面白いんですよね。クルマのチョイスっていうのは。

鹿島 :観光地でホテルの1階が電気自動車のレンタカーで、例えば3時間とか4時間とか近場の観光スポットに行けるだけの電気自動車を貸してくれるなんていうのもいいですよね。

横田 :いま、京都がそうですよね。タクシーがほとんど電気で。京都って狭いじゃないですか。電気自動車を使うとお寺の境内まで入れるとかね。そういう風に付加価値をつけているわけです。

鹿島 :色々と変わっていきますね、劇的に。

横田 :楽しみですよね。日本が大きく変わる、電気自動車にきっかけに変わっていくと思います。

鹿島 :横田さんはプリウスで5大陸を走破されて、昨年9月に帰ってこられて直後に番組に出て頂きましたけど、横田さんだからこそアドバイスが出来るエコドライブっていうものがあると思うんです。今日は日曜日の夕方で、ちょうどたくさんの方がドライブしていると思うんですけど、何もハイブリッドカーのみではなくて、普通のクルマも含めたエコドライブのコツを教えて下さい。

横田 :エコドライブ、ガソリンを使わないという意味ではですね、やはり急発進はよしたほうがいいですね。一番ガソリンを使っちゃう。いまのクルマってパワーがありますからね、軽く踏んだだけで進みます。あとは急ブレーキ。よく、信号がもうオレンジなのにギリギリまで行って止る人がいますよね。もうオレンジだったらアクセルを離して、流していく。ハイブリッドカーや電気自動車はほとんどガソリンを使わないですから。それともう1つは、余計なものを積んでおかない。ゴルフ道具だとかさ。トランクの中が倉庫になっている人がいるじゃないですか(笑) クルマにとって重さっていうのはさ、F1なんか見てご覧なさいよ、重さを1kg減らすのに何億とかかるわけだから。だからトランクの中に余計なものを入れておかない。ゴルフ道具は1回降ろしてまた載せる。そういうマメなことをやっておけばガソリンは10%は助かります。僕は渋滞にはまったら、ハイブリッドに乗っていたら、これで全然エンジンを回さなくていいんだって思いますね。ほとんどツーっと走る時は電気ですから。

鹿島 :そうですよね。

横田 :そう。ほとんど電気だから、軽くブレーキ踏んでりゃね、止っている間にエンジンがかかって電気を作ってくれるわけだから。そう思うと渋滞も楽かなと。

鹿島 :気持ちの持ちようでだいぶ変わりますね。

横田 :いまごろラジオを聴いている人もね、ちょっとアクセルを離して渋滞をガマンして、クーラーも25度から26度くらいにしたらいいですよ。冷えすぎだと手足にもよくない!

鹿島 :時々、窓を開けて換気するのも大事ですしね。

横田 :そうです。あれで喉をやられたりね。女の人はクーラーをギンギンに冷やすのは美容によくない。

鹿島 :本当に毎回、色々とタメになるお話をありがとうございます。しかしいつもお元気でいらっしゃいますけど、これからまた、グッドイヤー・エコミッションで。次はいつどこに?

横田 :9月から本州を走ります。今度は声を掛けて下さい。東名なんかでちょこちょこ走っているかも知れないですから(笑)。

鹿島 :ロゴも入っていますし、非常に目立つクルマで横田さんが走っていますので。

横田 :ええ。仲間と2台くらいでつるんで走っていますから。

鹿島 :サービスエリアですとか、色んなところで休憩もされるわけですよね。

横田 :できたら今度はサービスエリアでも、電気下さいってやってみようかなと思って。

鹿島 :そういう時はお声をかけても大丈夫ですか。

横田 :大丈夫です。

鹿島 :ちょっとクルマの中を見せて頂いても?

横田 :ええ。試乗くらいさせてあげますよ(笑)。

鹿島 :フフフ、珍しいですからね。プラグインハイブリッドは。

横田 :ええ。いま乗ったらちょっと自慢出来ますよ。

鹿島 :そうですよね。

横田 :それからちょっとニュースなんですけどね、いまのプラグインハイブリッドって全部グッドイヤーのGT3っていうのを履いているんですよ。転がり抵抗が良くてね。

鹿島 :やっぱり燃費を考えている方々は、最近のトレンドとしてホイールをエコ対応の非常に軽いものに交換して、タイヤもエコ方向のタイヤにするという。

横田 :そうです。転がり抵抗の良いものね。

鹿島 :ぜひまたお越し頂きたいと思います。ありがとうございました。

横田 :ありがとうございました。






今週はプリウスで世界5大陸を走破するなど
クルマと環境のスペシャリスト、
自動車環境評論家の
横田紀一郎さんをお迎えしました。

ドライバーズサロン!
来週も素敵なゲストをお迎えしてお送りします。
お楽しみに!




back page home