Driver's Salon
 クルマを愛して止まない「彼ら」との対話。それがレーサー鹿島のドライバーズサロン。

森を目指したビルから学ぶべきこと

(8月1日放送)
横田紀一郎

横田紀一郎
(よこたきいちろう)

自動車環境評論家
1941年1月10日・東京港区出身

1968年、発売間もないパブリカ1000で南ア・ケープタウンからエジプト・カイロまで縦断に成功。朝日新聞にそのドライビングが認められ「南ア・アパルトヘイト」取材でキャメラマンとしてデビュー。1974年からTBS海外取材番組のドライバーとして20万Kmの取材ドライブを続ける途中、サハラ砂漠で「パリ・ダカールラリー」に遭遇、1981年、第3回「パリ・ダカールラリー」に2WDスターレットで初参戦。2年後、2WDのカリーナで2輪駆動クラス、2WD無改造クラス、2WD総合と3冠を獲得。12年間のパリ・ダカ挑戦でクラス入賞4回を記録。1994年、国際家族年を記念して「人と自然とクルマの共生」をテーマに河川のゴミを拾うことをゲームとする「リバーレイド」を開催。“川の源流を綺麗にすればクジラが育つ”を合言葉に2009年には17回目を迎えた。

1997年、プリウスがデビュー、過酷な地球環境に耐えられるのだろうか、20世紀最後の地球環境をプリウスで見ようじゃないかと、アメリカ環境最前線を巡る「エコミッション」がスタート。2000年には国境を取っ払って新たな国造りに燃えるEUを訪ねた。2001年にはドラム缶1本から燃料の給油を受けるサハラ砂漠のインフラにもプリウスのHVシステムが順応した。モンゴルのゴビ砂漠を舞台に“速さに加え低燃費を競う”エコチャレンジに2年間連続優勝。2007年、ユーラシア大陸横断にチャレンジ、「北京〜パリ」シルクロード横断に成功。2008年には6000m級の山々が連なる南米大陸で標高度への挑戦を実施、プリウスは標高4562mを簡単にクリアー。2009年5月18日、3代目プリウスが登場、5大陸目のオーストラリアの挑戦を9月に完了した。

地球の地肌を走ることで感じるヒトの努力、環境負荷の少ないモノの進化と向上、何よりも大切な地球市民一人一人が環境保全に興味を持ってもらえるよう、 身近な街から、最果ての原野まで常にエコ視線全開で走り続ける。

このコーナーでは、レース関係者はもちろん、車を愛してやまない各界の有名人をゲストにお招きして、カーライフやレースのエピソードなど、その人物の本音にレーサー鹿島が迫ります。

今週のゲストは、プリウスで世界5大陸を走破するなどクルマと環境のスペシャリスト、自動車環境評論家の横田紀一郎さんです。じっくりとお楽しみ下さい。

飛行船に輝く子供たちの瞳
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鹿島 :今週のゲストは、自動車環境評論家の横田紀一郎さんです。よろしくお願いします。

横田 :こんばんは。

鹿島 :昨年の10月に、ちょうどプリウスで5大陸を走破して帰ってこられた直後にお出になって頂いて、色々な貴重なお話しをお伺いしたんですけど、今年は、グッドイヤー・エコミッション2010と題して、7月に九州の方で講演ですとか子供たちとの触れあいを行われて、戻ってこられたばかり。具体的にはどういう活動なんですか。

横田 :飛行船教室っていうのをね、グッドイヤーさんが7年前からやっていまして、それに去年から参加させて頂いて、各学校の授業として環境教育を取り込んでいるんですよね。それの長崎と諫早の2校で講演に参加させて頂くという目的で行ったんです。

鹿島 :具体的にはどういう授業を?

横田 :僕が一番印象に残ったのは、長崎の橘小学校というところなんですけど、講堂に800人の全校生徒が全部並んでいるんですよね。そこに長さ4mくらいかな、言ってみればラジコンの飛行船のデカいやつです。でもね、かなりデカく感じるんですよね。それを授業が始まる全員の見ている前で、まず飛行船を飛ばすんですよ。そうすると音もなく飛んでいくんですよね。どーんとね。すると子供がみんな立ち上がって「うわーー!」て。その迫力は背筋がぞっとしましたね。

鹿島 :子供たちは飛行船を見て何を感じるんですかね。

横田 :やっぱりね、飛行船って音もしないじゃないですか。ヘリウムで軽く飛んでいくから、地球に優しいっていう雰囲気はありますよね。あれはすごいと思いますね。

鹿島 :その飛行船を飛ばした後に行われる話の内容は、どういうものですか?

横田 :結局、飛行船から見た地球環境みたいな話と、その中で、僕も地上をプリウスで走ったという話をして。例えばマチュピチュの500年前の水道が今もちゃんと動いているとか、クルマそのものの進化みたいな話をさせて頂くんですけどね。

鹿島 :いま、若者のクルマ離れなんて文言を媒体でよく見ますけど、その小学生や中学生くらいの子供さんたちが、クルマの進化みたいな話を聞いたときにどういう反応をするんですか。

横田 :講堂の授業が終わって、横に電源をつないでプラグインハイブリッドの電気をもらっているわけですよ(笑)。

鹿島 :“プリウス充電中”なわけですね。

横田 :そう。充電中で、僕らがそこにいるとね、みんな放課後でみんなランドセルを置いて、うわーっと来て、いつの間にかクルマの中もいっぱいになっちゃうんですよね。やっぱり新しいものってすごいんでしょうね。

鹿島 :だってそうですよね。家庭用の電源で充電できるクルマなんてまだないわけですからね。

横田 :ないですからね。先生まで一緒になってやっていましたよ。

鹿島 :フフフ、なるほど。そういう子供たちがいわゆるドライバーになった時には、だいぶまた変わっているでしょうね、状況が。

横田 :どうなっているんでしょうかね〜。クルマは色んな意味でTPOになるんじゃないですかね。街場は電気自動車とかね、使い勝手によって変わってくるんじゃないですかね。


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福岡の“森を目指したビル”