Driver's Salon
 クルマを愛して止まない「彼ら」との対話。それがレーサー鹿島のドライバーズサロン。

F1激動の2009年を振り返る!

(11月22日放送)
高橋浩司

高橋浩司

(たかはし こうじ)

「F1速報」「月刊F1レーシング」編集長を経て、両誌のスーパーバイザーへ。
90年代初頭から、国内外で様々なカテゴリーのモータースポーツの取材を担当、膨大な知識と軽妙な語り口調でコメンテーターとしての人気も高い。
2006年からはじまった東京お台場のビッグイベント「モータースポーツジャパン」の運営にも関わる。

1967年7月17日生。
北海道札幌市出身。

このコーナーでは、レース関係者はもちろん、車を愛してやまない人気アーティストをゲストにお招きして、カーライフやレースのエピソードなど、その人物の本音にレーサー鹿島が迫ります。

今週は、『F1速報』『月刊F1レーシング』の編集長を経て、現在は両誌のスーパーバイザーを務める高橋浩司さんをお迎えします。お楽しみ下さい。

真の“変革”の時代へ
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鹿島 :今週のゲストは、『F1速報』『月刊F1レーシング』のスーパーバイザーを務める高橋浩司さんです。よろしくお願いします。

高橋 :よろしくお願いします。

鹿島 :夏に、ちょうどシーズンの中盤にお越し頂いて以来なんですけど、色々とニュースがありまして、様変わりしますね、F1もこれから。

高橋 :そうですね。ネガティブなことからポジティブなこと、いっぱい話題はありましたね。

鹿島 :自動車メーカーの撤退ラッシュと言われていまして、昨年ホンダが撤退をして、BMWがこの夏に今シーズン限りで撤退することを発表。そしてトヨタもF1から、あと一歩で優勝に手が届きそうだったんですけども。

高橋 :そうですね。残念ですけどね。

鹿島 :こういった、自動車メーカーがどんどんF1から撤退している背景には色んな理由があると思うんですが。

高橋 :まず2000年代に入ってから、色んなメーカーが参戦して、やはり技術開発ですとかプロモーション費用が高騰してきた。90年代から2000年代にかけて数百億円というレベルの運営費用が掛かるようになってしまった。そういう構造が不景気の中で重荷になってきたっていうことは、まずあるでしょうね。これがどのメーカーも、ひとつの引き金になったと思います。それからやはり、モータースポーツ、イコール、昔は技術研さんの場であって、新たな技術開発がモータースポーツを通じて生まれていくとかそういうイメージもあったんですけど、今のF1はかなり行くところまで行き着いてしまって。エンジンの開発も5年タームでの凍結がございますし、マシンの車体も空力にかなり特化されると。空力っていうのも、市販乗用車にもある程度は有用ですけど、F1のような尖った空力っていうのは必要ないわけで、それ以外の部分での開発がかなり規制される中で、市販車にリンクしていく技術がモータースポーツからもたらされるという割合がかなり減ってきたんじゃないかっていう風に、僕も見ているんですけどね。

鹿島 :これはもう、ここ近年のF1が抱えていた問題といっても過言ではないわけですよね。

高橋 :そういう意味ではもう、昨今のエコブームもありますし、レシプロエンジンっていうのも120年前に原型が出来た技術。それをずっと同じ状態で使い続けてきたのがモーターレーシングの世界でもあり、自動車産業でもありますから(笑) まあ自動車産業界が次世代のモータリゼーションを目指す中で動いている以上、自動車の競争であるモータースポーツも流れにある程度乗って、改革していかなければ今後の展望はなかなか開けないんじゃないかなっていう気がしますね。

鹿島 :番組はもう11年ですけど、8年間トヨタF1を応援してきまして、今年は2位が2回もあってあと一歩というところでしたよね。記者会見の中で豊田社長から、苦渋の決断であるということと、これからはより親しみやすいレースイベントですとか、あるいは運転すること自体をより楽しむ新しい企画みたいなものを考えていきたい、という発言がありましたよね。

高橋 :社長がおっしゃっていたように“わくわく感”というのは、やはりクルマが移動するただの道具ではないと。そこに運転する楽しみがある限りはモータースポーツは無くならないと。それはもう、より多くの人に触れてもらう、参加してもらうという方向に舵を切られたんだと思います。それはそれで当然アリな方向性だと思うんですけどね。

鹿島 :今後、本当に楽しみにしたいですよね。



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F1界に、雄星と工藤