Driver's Salon
 クルマを愛して止まない「彼ら」との対話。それがレーサー鹿島のドライバーズサロン。

“ある””だけで“力”を生む
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鹿島 :ところで、今は何にお乗りですか。

金田 :今はね、フェラーリの最終モデル328。

鹿島 :328。

金田 :しかも、国内にはほとんど無いでしょうね。4000km走ってないですからね。で、僕はクルマを買う時は自分で絶対に行かないんですよ。

鹿島 :え?

金田 :僕が見たって分からないじゃないですか。

鹿島 :そうなんですか? どなたが行かれるんですか。

金田 :だから僕がお付き合いしているクルマ屋さんがいるので、これは家族的な人なので。だって僕らが見たって分からないですよ。外観の傷くらいは分かるけどエンジン周りなんか絶対に分からないので。それで、その人がいいよって言ったら、もうそれでキロ数だけ聞いて、あとは内装の色を聞いて。こないだもちょっと、足が欲しいのでポルシェのボクサーだったけど、電話で注文したんです。色も全部言って。でも信用してくれないんだよね。そのクルマが黄色なんですよ。どこにも無いじゃないですか。それであるポルシェのディーラーに電話して、それを持ってきてよって言ったらね、初めてでしょ? 当然信用してくれない。

鹿島 :フフフ。

金田 :しょうがないから次の日に振り込んだんですよ、現金で全額。そしたら持ってきてくれた。

鹿島 :いやあ・・・。

金田 :だから見に行ったことないの。昔は行ったんだけど。それで、「納車はどこですか」って言うから、神社へ持ってきてって行って。僕は最初は、自宅へ持ってこないから。それで氷川神社って大宮にあるんですけど、そこの駐車場に入れて、そこで車検証やらの受け渡しして、そこでキチっとお払いしてから乗り出すんですよ。だから一切触らないもん。来ても見ているだけ。それでキチっとお払いして、やっぱり神聖な気持ちでクルマを大事にしたいから、それから乗りだすんですよ。だから毎回クルマは、20台買っているけど自宅へ持ってきたクルマってほとんど無いですね。

鹿島 :納車時には神社でお払い、そしてハンドルを拭いて、これからよろしくねっていうのがありまして、最後に手放すときは花束ですよ。すごいですよね、本当に。徹底してますよ。

金田 :やっぱりね、クルマさんありがとうっていう気持ちがあるので、僕はね。というのは僕の中で、クルマは乗り物だっていう意識は全く無い。だから今はほとんどハードスケジュールですから乗る時間が無いんですよ。だからクルマ屋さんに、エンジンをダメにしないために乗ってもらっているんですね。で、「乗らないんだったら売っちゃえば」ってよく言われるんだけど、僕はそういうものが“ある”っていうだけで、やっぱり背中が凛として、仕事を頑張ろうっていう気持ちになるんですよ。乗るクルマじゃなくて、“力”っていう感じ。“宝物”でもあるし“力”でもあるし。だから乗らなくてもいいんだよね。だから数千キロのクルマも、10回乗ってるか乗ってないかです。もう5年くらいになりますけど。でもポルシェもこないだ買って、3回しか乗ってないからね(笑)。






線は無限
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鹿島 :色々と今後も、個展ですとか活動のご予定があるのですが、8月にちょっと変わった、サッカーの選手を絡めた…。

金田 :8月ですね。そうですね。これはね、僕は大宮アルディージャの地元なので、選手たちの好きな言葉を。まあ芸術とスポーツのコラボレーションということで、やっぱりスポーツ選手が本当に強くなるためには精神面の問題があるので、まあそういうことで御殿場で合宿の最中に指導して、展覧会を「私の好きな言葉」ということでね。レッスンして。まあどんな作品が出来るのか分からないんですけど。スポーツ選手って僕は指導したこと無いんですよ。まあ、書を書くとね、自分の弱さが見えてくるんですよ。だからそれがいいんですよ。

鹿島 :何となく、背筋もシャキっと伸びるような気がしますね。

金田 :何ていうかな…、サッカーは一流であってもね、字を書くとそこに色んな風景が見えてくるので、またそこから色んなものが見えてくるので。またそこから色んなものが生まれるってことで。10月にその展覧会をやるんですけどね。

鹿島 :楽しみですね、これは。一瞬、サッカーの選手にレクチャーっておっしゃったので、ボールの扱いをレクチャーするのかと思ったんですけど、そうじゃないんですね(笑)。

金田 :丸い球を扱ってますからね、だからまあ、ちょっとその前に30分くらいレクチャーっていうか、どうしたら勝てるかっていうか。まあ勝てるかって言ったらおかしいんだけど、まあそういうことを話して。その結果としてそれをやるようにしようと思っているんですけど、勝負っていうのは勝とうと思ったら絶対に勝てないんですよ。僕らなんかもね、良い字を書こうと思うと自然に肩に力が入っちゃってダメになるので。だから勝つとか何とかっていうより、まず念ずるは通じるで、試合に入ったら「日本で一番強い」って自分に言い聞かせて、相手を呑んじゃうことだよね。そういうスケール感が無いとやっぱり。「あいつは強いんだ」と思ったところで負けているわけだから。時たま勝ったよ、時たま強いんだって思ったら楽じゃないですか。まあそんな話をしようと思っているんですけどね。

鹿島 :なるほど〜。

金田 :墨っていうのはね、書道で言うと、形を追っかけたらつまんなくなるんですよ。だから書道が長く続かない人は、形を追っかける人。だけどいわゆる、書にある線ね、線が見えてくるとそれは無限ですから、だから僕はいつも、筆は書く道具だと思っちゃいけないよと。操るってあるじゃないですか。筆は操るもんだと。やっぱり筆が弾力で閉じたり開いたりしていく、そういう感じで見えていくとそれは無限ですから。僕なんかでも、今はこうやって書が続いているのは、やっぱりそこに惹かれているからでしょう。形で綺麗なものなんか書いていたら、何十年前にやめているでしょう。面白くないもん。

鹿島 :今日は、スーパーカーの話から精神的なお話に至るまで、本当にありがとうございました。もうひとつ10月には埼玉の高島屋の方でも展覧会が。

金田 :これはですね、一つ柱になっているのが、5年暖めているテーマなんですけど、墨でサッカーの姿を書いてみたいと。そこに言葉も入れたいと。それが柱になって、それと同時にその背景である僕の芸術的な作品と、さっきのアルディージャの選手の作品と、3つをやろうとしてるんですけど。

鹿島 :今日、たまたまラジオを聴かれて行ってみようかっていう方もいらっしゃるかも知れませんし、何か新しい出会いが広がるかも知れませんね。またぜひお越し下さい。本当にありがとうございました。

金田 :どうも。





今週は、墨の魔術師と呼ばれる一方で、
スーパーカーマニアとしても知られる、
書道家の金田石城さんをお迎えしました。

ドライバーズサロン!
来週も素敵なゲストをお迎えしてお送りします。
お楽しみに!




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