Driver's Salon
 クルマを愛して止まない「彼ら」との対話。それがレーサー鹿島のドライバーズサロン。

出会いと縁に恵まれて・・・

(7月12日放送)
東儀秀樹

東儀秀樹

(とうぎひでき)

1959年東京生まれ。
東儀家は、奈良時代から今日まで1300年間雅楽を世襲してきた楽家。
父の仕事の関係で幼少期を海外で過ごし、あらゆるジャンルの音楽を吸収しながら成長。高校卒業後、宮内庁楽部へ。
篳篥(ひちりき)を主に、琵琶、鼓類、歌、舞、チェロを担当。
宮中儀式や皇居において行われる雅楽演奏会などに出演するほか、海外での公演にも参加、日本の伝統文化の紹介と国際親善の役割の一翼を担う。
その一方で、ピアノやシンセサイザーとともに雅楽の持ち味を生かした独自の曲の創作にも情熱を傾ける。

また、CM出演・曲担当の他、2008年にはNHK大河ドラマ「篤姫」、2009年にはTBSドラマ「MR.BRAIN」に出演するなど、活動の幅が広がっている。

クルマやオートバイへの造詣が深いことで知られ、近年はクラシックカーラリーへの出場の他、イベントそのもののプロデュースも行うなど、クルマシーンでも強力な影響力を持つ。

2009年7月、アルバム「地球よ、」をリリース。
8月より東儀秀樹全国ツアーfeat.古澤巌「地球よ、」を行う。

このコーナでは、レース関係者はもちろん、車を愛してやまない人気アーティストをゲストにお招きして、カーライフやレースのエピソードなど、その人物の本音にレーサー鹿島が迫ります。

今週は、クルマ、オートバイを愛してやまないアーティスト、東儀秀樹さんをお迎えします。お楽しみ下さい。


乗った車は誰にも渡さない!
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鹿島 :今週のゲストは、東儀秀樹さんです。よろしくお願いします。

東儀 :よろしくお願いします。

鹿島 :もう本当にずっと前から、東儀さんにはぜひお出になって頂いて、クルマとバイクの話を聞きたいと思っていて。かなり熱烈なオファーを送り続けて。

東儀 :あ、そうだったんですか!?

鹿島 :実現しました! 番組始まって11年経ってやっと(笑) 本当に嬉しいです。まず何といってもクルマやバイクにご興味を持たれた、そのきっかけをお伺いしていいですか?

東儀 :もちろん男の子が誰でもそうなように、小さい頃からミニカーとかね、そういうものでブーンって遊んでいるのはかなり好きだったんだけれども、やっぱり免許を取ることが出来る年齢になってすぐ免許を取って、それからずいぶん経って、その頃からしばらくは親のクルマを親が使っていない時に、時々貸してもらえる程度しか出来なかったので。それがずいぶん続いて社会人になって、やっと自分のお金で自分だけのクルマを買う。それは人から譲り受けた中古でかなり古かったんだれども、ベンツのSLの380っていう。ぺっちゃんこな。

鹿島 :うわ〜、また渋いですね。

東儀 :フフ、それがまたね、緑とゴールドの間のシャンパンゴールドみたいないい色で。それをもう、一生こいつに乗っていくんだ! くらいの気持ちで手に入れて。ものすごく安くね、当時の僕でも頑張って買えた値段だったんだけど、安くしてくれて。もう大喜びでしたね。

鹿島 :それはもう残ってないんですか。

東儀 :いや、つい最近までね、僕はもう乗って無かったんだけど、近所の友達に譲って、ずうっと確認は出来ていたんだけど。でもね、それでさらに僕のコンサートの音響をやっている人の手に最近渡って。

鹿島 :フフフ。

東儀 :で、これどんどん話が前後して申し訳ないんだけど。

鹿島 :いえいえ、どうぞ。

東儀 :そのSL380が音響屋に渡る時も、元々は僕が愛していたクルマだから、次のオーナーが僕の目の前で音響屋に譲る儀式みたいなことをしてくれたんですよ。それで音響屋が「ありがとう」って言って。もちろん値段がつかないからタダであげちゃった感じなんだけど、それが去って行ったのを見て、ああやっぱり美しいなあと思ってドキドキしてきて。すぐに部屋に入ってインターネットで検索して、あれの程度のいいやつないかな〜って(笑)。

鹿島 :本当にすごいですね(笑) まさか買われた?

東儀 :買ったんですよ。もう一回あれに乗りたい、身を寄せたいって気持ちになって。しかも僕が乗っていたのはエアコンが効かないしエンジンが途中で止まったりとかしちゃうような、ボロボロの状態だったから、ものすごく楽に普通に足にして乗れるものを持ちたいと思って、すごく探して。そういう時って恐ろしいほど縁に恵まれて、ピンポイントであったんですよ。

鹿島 :あったんですね。

東儀 :シルバーで中がワインレッドで、前のオーナーが全部皮を張り替えていてくれたような、それであんまり乗られていない極上物がすごく安い値段で。今はあれってあんまり人気が無いから。

鹿島 :あ、そうなんですか?

東儀 :値段も安くて。それでもすぐにそこのお店に行って、これください、みたいな感じになっちゃって(笑)。

鹿島 :じゃあ試乗されて買ったとかそういうことじゃなくて、買うこと前提に。

東儀 :試乗しなかったですね。

鹿島 :出会いですね。じゃあ実際に手に入れられたら、これだっていう感じでしたか。

東儀 :あの、懐かしい昔の80年代のクルマだから、アクセルの重さとか、瞬発力は無いんだけど後からグウ〜っと出てくる、あの感覚をまた。そうそう、これだったという感覚を思い出してニコニコして。

鹿島 :素敵ですね。でもクルマを人に譲られる時、あるいは下取りで引き取ってもらう時、ローダーで来る方もいれば自走で持って帰る方もいますけど、あの後姿って僕も分かりますねえ…。

東儀 :でしょ?

鹿島 :なんか、ドナドナ感がありますよね(笑)。

東儀 :そうそう(笑) それで何か、出来ることならね、お金のこととか保有する土地のこととか全く問題が無ければ、乗ったものは誰にもやらないぞという(笑) 全部、昔の子供がミニカーを箱に入れて遊んでいたように、全部並べて「今日はどれで行くかな」みたいなことをしたいけど、それは無理だから。でもなるべく知っている人がまたワクワクして引き取ってくれるっていうのだと、ちょっとホッとします。



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