Driver's Salon
 クルマを愛して止まない「彼ら」との対話。それがレーサー鹿島のドライバーズサロン。

河村隆一、混沌のF1を斬る!

(4月19日放送)
河村隆一

河村隆一

(かわむらりゅういち)

“クルマを愛してやまない”アーティスト。フェラーリをはじめとするモーターファン垂涎の愛車を自ら操るテクニックはプロ級で、マシンセットアップに関する引き出しも豊富。近年はドリフトにも挑戦し、その幅の広いドライビングスタイルにはプロドライバーからの評価も高い。
1996年LUNA SEAの活動休止後、97年にシングル「I love you」でソロ活動をスタート、他アーティストへの楽曲提供も含め、その活動域は多岐に渡る。2009年2月4日ニューシングル「ヒロイン」、4月1日ニューアルバム「ピアノ」をリリース。

このコーナでは、レース関係者はもちろん、車を愛してやまない人気アーティストをゲストにお招きして、カーライフやレースのエピソードなど、その人物の本音にレーサー鹿島が迫ります。

今週は先週に引き続きまして、クルマとレースを愛してやまないアーティスト、河村隆一さんをお迎えします。お楽しみ下さい。


音楽家の生命にかかわるほどの・・・
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鹿島 :先週に引き続きまして、ゲストはこの方です!

河村 :河村隆一です。

鹿島 :よろしくお願いします。F1、今年は大きくルールが変わりまして、ホンダが去年撤退してブラウングランプリという新チームになったら、開幕ワンツーフィニッシュだったり。もう今までに無いシーズンですよね。

河村 :本当ですよね〜。でもね、僕はひとつだけ疑問があって、本当にタイヤを作っているところに見に行きたいなと思ったくらいなんですけど。

鹿島 :ええ。

河村 :スリックが復活、今までは溝がありましたと。接地面の話になってくると、よくレーサーの人と話すと、「ハガキ4枚分しか接地してないから、どうせ」ってよく言うじゃないですか。確かにその中に、5mmの溝と1cmの溝があると接地面が減ると思うんだけど、それよりもなによりも、タイヤ自体の質、コレの方が重要なんじゃないかなって気がしていて。どう思います? その辺。

鹿島 :なかなか鋭い質問ですね〜!

河村 :だってこれ、日進月歩で絶対に良くなっていってますよね。だから同じ溝があろうが無かろうが、たぶん今年の方がさらに速いタイヤが出来たはずですよね。常に研究して、タフで喰いつくタイヤを作っているはずなので。だからスリックになって、果たして何秒上がったのか。他も変わってますからね。

鹿島 :他が大きく変わってますからね。いわゆる空気の力を利用して押さえつける“ダウンフォース”。もう見た目にも後方のリアのウィングが小っちゃくなって、色んなところが形状が変わってますからダウンフォースは確かに減っていると思うんですよ。でも何か、走りを見ていますとやっぱりタイヤが、溝つきからスリックタイヤになって性能が上がっているんだなっていう気はしますけどね。

河村 :うんうん。

鹿島 :これねえ、本当にスイマセン…私もF1のタイヤに乗ったことが無いんですよ(笑)。

河村 :そうですよね(笑) いや、たぶん本当に威信をかけて常に進化しているはずなので、3年前と今のタイヤでは、何秒違うよっていう世界なんだろうなあって思っているんですけどね。

鹿島 :あともう一つ、僕もいつも疑問に思うことがあります。大体、最近のF1はハイスピードになりすぎて、大事故が起きるのを抑制するために「遅くしよう」っていう方向に来ているわけじゃないですか。エンジンも何年か前に小さくなりましたし。

河村 :本来はね。

鹿島 :でもタイムが全然落ちていないですよね(笑)。

河村 :逆に上がってたりすることがあるから。だからある種、F1っていうのは格闘技の部分っていうのが今はフィーチャーされていると思うんですね。もちろん失敗すれば人が死ぬこともあるし、すごい舞台だと思うんだけど、実際は安全に人がハイスピードで移動するっていうことの研究発表会っていうか、展覧会っていうか、そういう場所なんでしょうね。だから本当に学者たちが集まってやっている部分があって。そういう見方をしても面白いと思う。

鹿島 :面白いですね。去年、世界的に不況になったときに、モータースポーツはどうなるのだろうかっていう論争が、今までモータースポーツに興味の無かった、例えば新聞ですとか色んな媒体で取り上げられていたのを見たんですけど、自動車メーカーやF1チームの方々は、よくこう言ってましたね。「例えば、金属同士が触れ合う時の摩擦をどれだけ軽減できるか」ですとかね。「燃費をどこまで向上できるか、燃焼効率は」とか。そういう意味で言いますと、究極のトライをしていますから、そこからハイブリッドカーの新しいノウハウが生まれたりってことは確実にあると思うんですよね。

河村 :僕も体感したんですけど、例えばパドルシフトはやっぱりF1が一番早いわけですよ。そりゃそうですよね、シフト変える時に、「ワ、ウ〜ン、ワ、ウ〜ン」っていってたら全然話にならないので。

鹿島 :フフフ。

河村 :それで、当時のインポートのスポーツカーってそういう感じでしたよね。すごくオンチな感じでスタートしてって、「ウ、ウ、ウ、ウ〜…」って、こんなにクラッチミート下手なのかよって感じでスタートしてって、シフトアップしてっても全然反応が悪いし、シフトダウンも「ワ、ウ〜ン、ワ、ウ〜ン」って落ちるし、これ壊れてるんじゃねえの? って(笑)。 それがやっぱりF1がどんどん速くなるにつれて、ちゃんと民生品っていうか民生車っていうかね、実際のロードカーも進化しているので。だから将来はF1は、ぶつかっても人が全く死なないしクーラーも効いているしとか、どんどんそっちへ行くと思うんですよ。だからもしかしたら、これはモーターファンは嫌かも知れないですけど、ハイブリッドエンジンのF1っていうのも当然出てくるかも知れないし、環境に良くって速くって安全で、なんかそういう時代がどんどん・・・。やっぱりアレは万博みたいなものなんじゃない? ある種。新しいものを常に発表していくという。

鹿島 :あとは“走るモーターショー”みたいな。

河村 :うん。美しいですからね。そうそう、美しさもあるからね〜あのデザインのね。

鹿島 :現場であのエンジン音を聴くと、フェラーリはフェラーリ、トヨタはトヨタっていう。あの違いが本当に。テレビのスピーカーだとリミッターが効いて、あまり音が違うように聴こえないですよね。

河村 :あとはテレビの場合は、たぶん録る側が、ちゃんとマイクを痛くない場所に置いていると思います。だって現場に行くと鼓膜が震えている感じがするじゃないですか。

鹿島 :フフフ、しますします。

河村 :これはちょっと、ピットの中に耳栓しないで入ってったら、音楽家としての生命が危ういなくらいの音ですよね。みんなヘッドホンしてますもんね。

鹿島 :そうですね。まあ今年は鈴鹿でF1が行われますけどね、まだテレビでしか観たことが無いっていう方はぜひ一回、生であの音を!

河村 :そうですね。あのね、もう一生に一度は行かないと損ですよ。あの音はね、たぶん…絶対に許しちゃいけないくらいの音量ですからね(笑) すごい。もう大気が震えている感じ?

鹿島 :大気、震えてますよね。




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