Driver's Salon
 クルマを愛して止まない「彼ら」との対話。それがレーサー鹿島のドライバーズサロン。

平成生まれのF3世界チャンピオン!

(12月7日放送)
国本京佑

国本京佑

(くにもとけいすけ)

1989年1月9日、神奈川県生まれ。
9歳からアルペンスキーを始め活躍。
その後、カートレースに転向。たちまち頭角を現し、04年に「全日本カート選手権FAクラス」チャンピオンに輝く。
TDP(トヨタ・ヤングドライバーズ・プログラム)の支援を受け、06年からフォーミュラトヨタにフル出場。07年にはFCJ(フォーミュラチャレンジ・ジャパン)チャンピオンを獲得。その才能を買われ、08年は「全日本F3選手権」に名門TOM'Sから参戦し年間ランキング2位。F3の世界一決定戦「マカオGP」では初挑戦ながら優勝し、一気に世界にその名を知らしめた。レースシーン期待の若手レーサー。
慶應大学在学中、特技は英会話とクラシックピアノ。

このコーナでは、レース関係者はもちろん、車を愛してやまない人気アーティストをゲストにお招きして、カーライフやレースのエピソードなど、その人物の本音にレーサー鹿島が迫ります。

今週のゲストは、アイルトン・セナやミハエル・シューマッハをはじめとする数々のF1レーサーを生み出してきた、F3の世界一決定戦、マカオグランプリで優勝した19歳の大学生レーサー 国本京佑選手をお迎えしてお送りします。じっくりお楽しみ下さい。


人生を左右する、僅か数センチ。
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鹿島 :今週のゲストは、2008年F3世界チャンピオン、国本京佑選手です。よろしくお願いします。

国本 :お願いします。

鹿島 :世界一決定戦、マカオグランプリ。これは非常に歴史のある大会で、1954年に始まって、83年にはあのアイルトン・セナ、90年にはミハエル・シューマッハ、そして2001年にはF1ドライバーになった佐藤琢磨選手が優勝して、F1へステップアップしたという大会です。これで世界チャンピオンですからね〜。さらに、コースがマカオの市街地で、観光で行かれたことがある方もいらっしゃるかも知れませんが、非常に狭い街中に、このレースの時だけコースを特設で作るというちょっと変わった大会です。ですから事前の練習が出来ません。そこで今年チャンピオンを獲って世界一の称号を得たのが、今日来て頂いた19歳の国本京佑選手。実はこの番組は去年から、国本選手が優勝したり活躍をした時には、勝手に(笑)ニュースを入れさせて頂いておりましたので、番組を聴いてらっしゃる方も名前はよく知ってくれていると思いますけど、本当におめでとうございます。

国本 :ありがとうございます。

鹿島 :まず、初挑戦の世界一決定戦、マカオグランプリを振り返ってもらいたいんですけど、このレースの時にしか市街地に特設コースが設置されないので、いつものサーキットみたいに練習が出来ないわけですよね。事前にはどういう準備をしていたんですか。

国本 :エンジニアの山田健二さんと本当にたくさんのミーティングをして、コースの特徴だったりとか。もちろんコースのレイアウトはDVDをたくさんもらって、本当にDVDが擦り切れて無くなっちゃうくらいにたくさん見て、そういう準備をして行きましたね。

鹿島 :そこが凄いと思うんですよね。我々の世代ですと、当然ビデオですとか色んなものを見てコースに行きますけど、やっぱり違和感もありますし、特にマカオの場合はちょっとコースオフをして芝生や砂利のところを走って戻るっていうことが、全く出来ませんよね。

国本 :そうですね。僕も本当に、一番最初にマカオを走って感じた感想は、本当に凄く路面もボコボコしていてハンドルも取られるし、ライン一つ外したらもうすぐにガードレールに近寄っていっちゃうんで、少し恐怖心もあったし慣れるまで時間が掛かりましたね。

鹿島 :とは言え、ですよ。練習こそ20番手くらいからスタートしましたけど、予選のタイムアタックでいきなり2位。

国本 :やっぱり練習は少し限界よりも低いところで走っていたので、タイムは出なかったんですけど、予選の時に思い切り走ってみたら2番手というポジションを取れて、少し自分でも出来すぎかなっていうのは思ったんですけど、良かったなと思いました。

鹿島 :エンジニアの、トムスの山田健二さんに、レースの後にちょっとお話を聞いたんですけど、実は第1レースの第1コーナーの立ち上がりでガードレールに当たったと。

国本 :そうなんです。

鹿島 :「あと2cmか3cm、もう少し当たりすぎていたらホイールに亀裂が入って、そこでリタイヤしていた可能性が大きかった」と言ってましたよ。

国本 :そういうのもあって、すごく運が良かったですね。

鹿島 :2cm、3cmで、人生が決まっちゃう瞬間ですね。

国本 :はい(笑)。

鹿島 :この映像が、実はマカオグランプリの公式サイトで流れていまして、もしかしたらご覧になった方もいるかも知れませんけど、映像で観ますと、パッと白い煙が上がるんですよね、タイヤが当たった瞬間に。

国本 :ちょっとカッコいいですよね、フフフ。

鹿島 :アハハハ! それを「カッコいい」と言えるところがいいですよね。ドキっとしましてね。あれをピットで見ていた監督、関谷さんは。

国本 :一番ハラハラしてましたね。

鹿島 :みんなドキっとしたでしょうね。まあその後は2位で締めくくって。最後の決勝レース。ちょっとレース展開を振り返って下さい。

国本 :2位からスタートして、1コーナーでは2位をキープして、すぐにクラッシュがあったのでセーフティカーが出てしまって、それが本当にチャンスだなって考えていたんですけど、上手くセーフティカー後に抜くことが出来て、あともう1回セーフティーカーが出たんですけど、ポジションを守って優勝することが出来ました。

鹿島 :ゴールした瞬間、F3の世界チャンピオンになったわけですけど、この時、この瞬間っていうのはどんな…。

国本 :そうですね、もちろんマカオに行くからには勝つ気では行ってたんですけど、そんなに上手くいくなんてことは誰も思っていなくて、本当に凄く嬉しかったっていうのはあったんですけど、驚いたっていうのがありましたね。

鹿島 :子供の頃からF1ドライバーを目指して、当然やってきていると思うんですけど、獲ったタイトルがあまりに大きかったというか。初挑戦で獲る人って実はすごく少なくて、2001年の佐藤琢磨選手は2年目、要はF3というクルマにも慣れて、イギリスF3で活躍してチャンピオンを獲ってマカオでしたから、もうクルマも乗り慣れてコースも知っている、路面状況も把握できているし雰囲気も分かっているって大きいと思うんです。でも国本選手の場合、F3自体が今年が初めてですし、マカオも初めて。自分でも、獲ってしまった物が大きすぎて実感が湧かなかったような?

国本 :そうですね。本当に1位なんて獲れると思っていなくて、ただただ本当に楽しくて、1周1周を楽しんでドライブしていたら1位になれたという感じですね。

鹿島 :苦しさとは無かったですか?

国本 :マカオでは本当に苦しさは全く無くて、予選前の練習で順位が悪くても、プログラム通りだって自分にしっかり言い聞かせて、本当に楽しくレースを送れましたね。




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