Driver's Salon
 クルマを愛して止まない「彼ら」との対話。それがレーサー鹿島のドライバーズサロン。

こう見えて、台東観光大使です。

(6月15日放送)
いとうせいこう

いとうせいこう


日本の小説家、タレント、ラッパー、そして最近はベランダーとして幅広く活動するクリエイター。
現在、雑誌『PLANTED』(毎日新聞社)の編集長を務める。日本のヒップホップカルチャーを広く知らしめた先駆者としても認知されており、その後のジャパニーズ・ヒップホップの表現者たちに多大な影響を与えている。

このコーナでは、レース関係者はもちろん、車を愛してやまない人気アーティストをゲストにお招きして、カーライフやレースのエピソードなど、その人物の本音にレーサー鹿島が迫ります。

今週は、小説家、タレント、ラッパー、そして台東観光大使でもいらっしゃいます、いとうせいこうさんをお迎えします。お楽しみ下さい。


免許ないけどクルマが気になる
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鹿島 :今週のゲストは、いとうせいこうさんです。よろしくお願いします。

いとう :よろしくお願いします。どうも。

鹿島 :5月21日に、いとうせいこうさんとポメラニアンズでコラボレーションされたアルバムがリリースされまして、先週はポメラニアンズのお2人にお越し頂きました。

いとう :なるほど。なんとなく聞いています。

鹿島 :この番組は今年で10年目に突入しておりまして、各界の著名人、有名人の方のカーライフですとか、クルマトークを伺っているわけなんですが、クルマに関してはどうなんですか。

いとう :クルマはですね、僕は大学の時に免許を取りましてですね、友達から1万円でクルマを譲ってもらいまして。

鹿島 :フフフ。

いとう :軽ですよ、ちっちゃいやつ。それで自分のアパートから大学までの間を、何回か往復したんですけど。信号で止まって、ちょっと考え事を、僕、すごく考え事をしがちなんですよ。それで考え事をしていて、さあ青になったっていう時に、もうどれがクラッチでどれがブレーキだか忘れちゃうんですよね。それで全然向いていないなって思って、免許を捨てちゃったんですけど。それから25〜26年経って、今年、やたらクルマを見ているんですよね。免許無いのに、クルマをもし自分が持つならコレいいなとか、コレはどんな性能なのかとか、なるべく四駆っぽいもんがいいなとか、そういう風に盛んに見ている自分がいるんですよね。どういうことなのかよく分からない。でも人にも言っているんですよ、俺、免許無いんだけどクルマに興味あるんだよねって。

鹿島 :そんな中で一番気になっているクルマ、タイプはどんなものですか?

いとう :ゴツくて、なるべく四角いやつ。近頃のクルマってちょっと丸いでしょ? どっかを必ず丸くしちゃうみたいなところが。

鹿島 :空気抵抗を減らして、燃費を向上させる方向へ行くと、丸くなりますよね、やっぱり。

いとう :なるほどね。なんかゴツっとしているやつが、いいんですよ。それで車高がちょっと高いみたいな。昔からこれは言っているんですけど、“猫がすり抜けられる”っていう。クルマが来た時に、猫がすり抜けられるくらいのタイヤの位置みたいなのがいいんですよね。それで、馬に乗るみたいでしょ、ちょっと高いところにあると(笑) 馬に乗るみたいな感覚でクルマに乗るっていうのが、前から気になってる。その体感がいいんでしょうね。スポーツカーみたいに低いところに入りたいっていう人もいるでしょ。僕は高いところに、よいしょって上って馬みたいにやるのが、クルマを動物みたいな形に捉えてて、自分の感覚が変わるというか目線がまるっきり変わることが面白いと思っているんですけど。

鹿島 :今、発売されているクルマでは、なかなかその、ゴツくてっていうのは無さそうですよね。

いとう :無いんですよ。だから昔のクルマなんですよね。僕がたまに、ハっと思って気になるのって。

鹿島 :きっとそうですよね。

いとう :昔のクルマに惹かれているんだって思うんですけど。あと僕は家のベランダで、植物を育てていて、ガーデナーに対抗して“ベランダー”って言ってるんだけど、そういうことのために郊外にいっぱい植物売っているところがあるでしょ。ああいうところに、免許が無いから友達に乗せてってもらうしかないんですよ。それでちょっと丈の高いものを買っちゃったときに(クルマに)入らないの。だから、それが後ろに入るっていうことに憧れているんです。

鹿島 :なるほど。条件の一つってことですね、クルマ選びの。

いとう :そうそう。それがやっぱり、小さい苗ばっかり買うわけじゃないから、ちょっとした1m50〜60cmくらいのものを買った時に、自分では持って帰れないけどクルマがあったら持って帰れるんだ…って思ったら、ああなんであの時、俺は免許捨てちゃったんだろうって風に。


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