Driver's Salon
 クルマを愛して止まない「彼ら」との対話。それがレーサー鹿島のドライバーズサロン。

クルマも楽器も生き物ですから。
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鹿島 :溝口肇さんの20周年記念アルバム、2006年にリリースされた『OPERA?』の中から『Perfect Days』という曲をお送りしました。曲名はパーフェクトデイズですが、クルマに関しては不完全を楽しんでらっしゃるというか(笑)。

溝口 :いや、なんかそういうものに惹かれるんですよね。今付き合っているクルマ屋さんにもよく文句を言われるんですけど、「すごい注文が多い」って言われるんですよ。僕はすごいクルマが好きだし運転が好きだから、クルマの状態って毎日違いますよね。

鹿島 :違いますね。

溝口 :違いますよね。でもそれを言っても分かってもらえないんですよ。湿度とか気温とか色んなものが関係してくるんだと思うんです。今はゲレンデヴァーゲンっていう大きなクルマに乗っているんですけど、その足回りがトラックみたいなものですから、僕はもうちょっと滑らかに走りたいと。そのためにはサスペンションのショックとかバネをどうしたらいい? って話をするんですけど、それを分かってもらえないんですね

鹿島 :なるほど。

溝口 :今日はすごく調子がいいっていう日と、ダメな日の差がすごく大きいんですよ。でも「それは気のせいじゃないか」っていつも怒られるんですけどね。

鹿島 :楽器のコンディションっていうのは、湿度ですとかそういったものにすごく影響を受けるんじゃないですか。

溝口 :コンサート、例えば2時間くらいの間やるじゃないですか。もう1秒1秒でどんどん音が変わっていくんですよ。

鹿島 :うわ〜っ。

溝口 :それは自分でコントロールしなきゃいけないんですけど、楽器も生き物なので、10秒前の今と10秒先っていうのは、自分でしか分からないところなんですけど、やっぱり楽器ってどんどん弾いていくと、どんどん楽器自体が鳴り出すんですね。だからクルマで言うとエイジングが終わってどんどんエンジンが回りだす。

鹿島 :はい。

溝口 :今度は回りだすと、他の回ってなかった部分とのバランスが悪くなったり、色んなところとの差が出たりとか、それはやっぱり楽器自体のバランスっていうのが悪くなったり良くなったり、それが刻一刻と変わっていくんですよ。だから面白いといえば面白いし、大変といえば大変ですね。

鹿島 :そういう意味で言いますと、似ているところって本当に多いですね。

溝口 :そうですね。だから僕はやっぱり、クルマと喋りながら運転しているんですけど(笑)。

鹿島 :あ、クルマとですか。隣の方とじゃなくて(笑)。

溝口 :やっぱり毎日違うし、エンジンかけた瞬間に、あ、今日は調子よさそうだなとか。かけた瞬間になんかそれは感じますし。

鹿島 :いいですね〜。じゃあちゃんと、冬は暖めてから?

溝口 :いや、しません。そういう甘やかしはしないんです(笑)。

鹿島 :アハハ!

溝口 :古いクルマにはしますけどね。

鹿島 :なるほど。現代のクルマは…。

溝口 :特にそんな。道具として使ってますからね(笑)。




一番気になるのはブレーキですね。
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鹿島 :ところで、いま乗ってらっしゃるゲレンデヴァーゲンに、何か足回りというかブレーキ関係のパーツでものすごいモノを入れてらっしゃるらしいという…。

溝口 :いやいや(笑)本当にコアな話なんですけど、ブレンボっていうブレーキメーカーの。僕は最近、速く走るよりもキッチリ止まる、そのシャーシバランスやエンジンバランスや色んなバランスで、年も年なのでそんなに速く走るよりも安全にキチっと走れるクルマがいいなと。それでちょっとブレーキ力が足りなかったので、ブレンボっていうメーカーのを自分でクルマ屋に頼んで入れました。

鹿島 :イタリアの有名ブレーキメーカーでね、レースシーンでも有名ですけど。まあねえ、かなりお高いものじゃないかと思うんですけど。

溝口 :ええ。何でこんなに高いんだろうって思いましたけど(笑)。

鹿島 :マルが6個くらいですかね?

溝口 :そうですね。そのくらい…。

鹿島 :(クルマ)1台買えちゃうんですよね(笑)でもこれって、キチっと止まるっていうのは安心感、安全に繋がりますし、何かあったときにキチっと止まれるっていうのは本当にいいことですもんね。洋服の世界でも、本当にどんなスーツを着飾っても靴が…っていうところに近いものがありますよね。ちょっと違いますか(笑)。

溝口 :いや、でもお洒落は靴をまず先に見るとか言うじゃないですか。僕はクルマの何を見るかっていうと、やっぱり足回りなんですね。タイヤとホイルの中のブレーキを見て、おおっと思えるかどうか。

鹿島 :じゃあ都内でクルマで走っていても、赤とか黄色とかブレーキ関係のパーツでそういう派手な色のやつがあるじゃないですか。

溝口 :気になりますね。

鹿島 :気になるでしょうね〜(笑)いや、色んなお話をお伺いしてきましたけど、本当に到底これは一週ではお話を伺いきれず、大体15台所有されて、100台乗られたっていうクルマのうちほんの数台しかエピソードをお伺いできなかったものですから、またぜひお越し下さい。

溝口 :はいぜひ、呼んで下さい。

鹿島 :ちなみに音楽活動のほうは、今はどういったスケジュールでやられているんですか。

溝口 :1年の前半はですね、大体、制作といいまして、作曲やアレンジ、まあテレビドラマだったりとか。そういうのばっかりやっているんですね。それで今年はまた自分のカバーアルバム『yours』シリーズの第三弾が出る予定なので、それも準備中ですし。まだまだ作曲の仕事も残っているので。

鹿島 :このところ、2005年、2006年、2007年と立て続けにアルバムを出されていますよね。ファンの方々も待ってらっしゃると思いますけど、そういう活動をしながら時々クルマの運転、ドライビングで右脳と左脳を活性化しながら、みたいな。

溝口 :そうですね。やっぱりリラックスして。僕はクルマの運転ってすごくリラックスするので、何も用がなくてもクルマを運転して、また仕事に戻るっていうことが多いですね。気分転換ですね。

鹿島 :いや〜、またぜひお越し下さい! 本当にありがとうございました。

溝口 :ありがとうございました。



今週は、テレビ『世界の車窓から』のテーマ曲でおなじみのチェリストで作曲家、
クルマを愛してやまない溝口肇さんをお迎えしました。

ドライバーズサロン!
来週も素敵なゲストをお迎えしてお送りします。
お楽しみに!




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