Driver's Salon
 クルマを愛して止まない「彼ら」との対話。それがレーサー鹿島のドライバーズサロン。

楽器とクルマは似ている

(3月23日放送)
溝口 肇

溝口 肇

(みぞぐち はじめ)

テレビ朝日の長寿番組「世界の車窓から」のテーマ曲でもお馴染みのチェリストとし て、またサウンドプロデューサーとして幅広い顔を持つ。カラヤンに憧れて3歳よりピアノを習い始めて以来、クラシックのみならずロック、ポップスなどさまざまな音楽と出会い、東京芸大在学中、多重録音により現在の音楽世界の基礎となる独自の作 品を制作。1986年にはアルバム「ハーフインチデザート」でソロデビュー、日本たばこ「ピースライト」のCM出演とともに一躍脚光を浴びる。以来、人気高視聴率ドラマ「ビューティフルライフ」(TBS)、NHK朝の連続テレビ小説「オードリー」、アニメ映画「人狼(JIN-ROH)」などの代表作をはじめ、最近ではヒット映画「東京タワー」など数多くの劇中音楽を手掛け、作曲家としてもテレビ・映画等で活躍。

溝口 肇 オフィシャルサイト http://www.archcello.com

このコーナでは、レース関係者はもちろん、車を愛してやまない人気アーティストをゲストにお招きして、カーライフやレースのエピソードなど、その人物の本音にレーサー鹿島が迫ります。

今週は、テレビ『世界の車窓から』のテーマ曲でおなじみのチェリストで作曲家、クルマを愛してやまない溝口肇さんをお迎えします。お楽しみ下さい。


毎週日曜日はキャブレターを掃除。
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鹿島 :今週のゲストは、クルマを愛してやまない溝口肇さんです。よろしくお願いします。

溝口 :よろしくお願いします。

鹿島 :音楽業界で、とんでもないクルマ好きであるというお噂は・・・。

溝口 :クルマが好き、というかクルマを運転するのが好きなんですね。

鹿島 :あ、運転好きなんですね。

溝口 :だから所有しているクルマは、何台も何台も買い換えたりしているわけではなくって、とにかく乗ったことのないクルマを運転する。それが一番。

鹿島 :ちなみに何台ぐらいこれまでに運転されているんですか。

溝口 :種類としては、100台以上は。

鹿島 :すごいですね。これは100台購入されたわけじゃないんですよね。

溝口 :いえ。レンタカーで借りて乗ったりとか。あとはテレビの仕事で、クルマ好きということで、こないだはトラバントっていう軽自動車にも満たないクルマ、ギアもすごく難しいんですけど、それに乗ってハンガリーを旅するっていう番組をやらせて頂いたりとか。まあすごく大変でしたけどね。そういう縁で色んなクルマを運転させて頂いています。

鹿島 :わざわざレンタカーを借りられたりするわけですか、興味のあるクルマの場合は。

溝口 :レンタカーはですね、アメリカを旅するときはほとんどレンタカーを借りて。最近はちょっと体力がいるのでやらないんですけど、ええと、ロス行って、2週間か3週間休みがあったとすると、もう予定を決めずに帰りの飛行機の時までレンタカーを借りっぱなしにして、あとはモーテルをずーっと。

鹿島 :なるほど。

溝口 :その日に行きたい方向へ行くというね。

鹿島 :フフフ。大体、どこへ行ってもフリーウェイを降りると、看板が見えますよね“モーテル6”とか。結構安くて、大体、ひと部屋ふた部屋は空いているというね。

溝口 :そうですね。

鹿島 :でも、なんか想像できないんですけど(笑)。

溝口 :そうですか(笑) まあそういうことをしていて、結局アメリカ大陸を5〜6往復くらいの距離は走ってますね。

鹿島 :うわー、すごいですね。やっぱりそういうところから考えても、運転が苦にならない方だっていうのはよく分かりますね。

溝口 :苦にならないですね。もう1日に800キロくらいは軽く走っていましたね。

鹿島 :ひとりですよね。

溝口 :はい。前はひとりで。そのあとは結婚してからはカミさん乗せてたりもしましたけど。

鹿島 :素敵ですね。眠くなったりしないんですか、長距離運転して。

溝口 :ま、眠くなったらもう、ガソリンスタンド行ってコーヒー飲むか。それの繰り返しですね。

鹿島 :これまで所有されたクルマは何台くらいですか。

溝口 :20台弱…だと思うんですよね。

鹿島 :何か、今までのクルマ暦の中での究極のトラブルですとか、逆にそこからの復活劇ですとか、心に残っているエピソードってありますか。

溝口 :一番心に残っているのは、40歳の時に買ったトライアンフ。バイクで有名なメーカーなんですけど、そこが2シーターのオープンカーをいくつか作って。それの63年型のTR4Aっていうのを買ったのが一番印象深いですね。

鹿島 :これは40歳の時に1963年式っていうことは、もう、相当昔のクルマですよね。

溝口 :そうですね。それで結局なんで印象に残るかというと、女性もそうだと思うんですけど、手間ひま掛かるっていうか(笑)。

鹿島 :アハハ!

溝口 :すっごい大変だったんですよ。毎週日曜日にキャブレターを掃除するどころじゃなくて、ガレージ持ってませんでしたから、野ざらしの状態でカバーをかけているんです。それで雨が降ると、もうリアのドラムブレーキが錆びて動かなくなっちゃう。それで業者を呼んで、錆をとってもらったりとか。そういうのが本当に大変でした。

鹿島 :じゃあ、例えば演奏のツアー等で、2週間〜3週間ほったらかしなんてしてたらもう。

溝口 :もう動かないことが多かったですね。

鹿島 :あんまりほったらかしにしていると、電話に出てもらえなくなったりするのと似ていますよね(笑)。

溝口 :そうですね(笑)やっぱり怖いので仕事には使えないんですよね。なのでその時はクルマを2台持ってたんですけど、2台持っていてトライアンフに乗るっていうのは本当に気力がいる。今日は乗るぞっ! と1時間前くらいから気構えていないと乗れなかったですね。

鹿島 :フフフ、でももう今となっては素敵な思い出じゃないですか。もうそのクルマはどこにあるか分からないんですか。

溝口 :ええと、次の人がエンジンを回しすぎて、ロッドを折ったっていうところまでは聞いているんです。

鹿島 :フフフ、壮絶なヒストリーですね。

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クルマも楽器も生き物ですから。