Driver's Salon
 クルマを愛して止まない「彼ら」との対話。それがレーサー鹿島のドライバーズサロン。

 『東京オートサロン2008』百花繚乱!

(1月20日放送)

このコーナでは、レース関係者はもちろん、車を愛してやまない人気アーティストをゲストにお招きして、カーライフやレースのエピソードなど、その人物の本音にレーサー鹿島が迫ります。

今週は、1月10〜13日、千葉県の幕張メッセで行われた国内最大のカスタムカーの祭典『東京オートサロン』のリポートをお届けします。お楽しみ下さい。


異色のカスタムカーが最優秀賞に!
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鹿島 :出展329社、展示車両593台、そして3日間の来場者がおよそ25万人と今年も大変な盛り上がりだった東京オートサロン。自動車メーカーやカスタマイズメーカー、タイヤメーカーなどが思い思いの趣向を凝らした展示、ステージを展開するこのカーショーは世界中の自動車メディアも注目する、日本が誇るビッグイベントです。今年は特設会場でドリフトの最高峰、あのD1の迫力のデモンストレーション走行、メインステージではTRFのコンサートも行われ、来場されたみなさんの表情はにこやかでした。
さてトヨタのブースにはヴィッツのレース仕様車からF1までが展示されていたんですが、中でも目を引いたのは、あのマークXジオのレーシングバージョンです。トヨタのGTレーサーの選手会TGDAのメンバーと、日本を代表するレーシングカーデザイナー、あの由良拓也さんがタッグを組んで作り上げた異色のマシン、「マークX ZiO concept」は東京カスタムカーコンテストのコンセプトカー部門で見事に最優秀賞に輝きました。
デザインの由良さんに開発秘話を聞いてみました。

由良 :これはですね、トヨタのGTドライバーのアソシエーションの会長が服部君なんですけど、彼の発案で、「面白い乗り物で、やっぱりGTドライバーなんでGTにこだわりたい」ということで、しかもやっぱり日本の若者たちはスポーツカーよりはミニバンよりSUVのほうが強いじゃないですか。それでそっち方向で、みんなで乗れるレーシングカーみたいなものも面白いんじゃないかっていうのが始まりで。それで声が掛かってですね、まあ服部とは長い付き合いもあって。それでまあ、ドライバー全員が集まってどんなクルマがいいとか話し合って。僕もその会議に出てイラストを描きながら、こんな風にしたいとか、ブリスターフェンダーにGTウィング、そしてチンスポイラーにカナードまでつけてとか、どんどん欲張った意見が出て(笑)それを全部取り入れて形としてまとめて。ですからああいう、マークXの特長であるX型の独立4座席、フルバケットシートで4人が乗れて外装は完璧なスーパーGT仕様なんですね。
それで結局、プロドライバー1人と3人乗せてもらえるっていうサーキットを走る最高の乗り物になったのかなっていう感じです。実際に絵に描くとどうとでも描けちゃうんですよ。なにせベースはZiOですからね。それをスーパーGTのクルマにするんですからものすごい無理があるんです、基本的に(笑)絵に描いてしまってからあとで後悔することもいっぱいあるんですけど、そこは服部君とかうるさくて。「絵ではこうじゃないか!」とか。それはやると大変なんだよって言っても、「いやそれは描いちゃったんだからダメだよ」とか言いながらですね(笑)


トヨタブースで異彩を放つZioのカスタムカー
トヨタブースで異彩を放つZioのカスタムカー
スペース もう大体、絵の通りになりましたけど、そこが大変でしたね。そもそもジオをスーパーGTにするなんて無理なので(笑)はい。そうですね、まあ短い時間だったんですけど、精一杯、一応100%で外装に関しては。内装はまだやり切れていないんです。あとはボディの下のところとかはまだ出来ていないんですけど、外装に関しては100%。
出来上がったら服部君の第一声が「120%!!」って言ってくれたので、ああ良かったって感じだったですね。


ハイブリッドカーの未来派カスタム
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鹿島 :東京オートサロンの会場内には、美しいエアロパーツを身にまとったプリウスのカスタムカーが2台展示されていました。このクルマも由良さんが手がけたもので、昨年の秋にラスベガスのカーショーで話題になった珍しいプリウスのカスタムカーです。近未来を思わせる、見るからに空気抵抗が少なそうなデザインで、とてもスマートでお洒落な感じがしましたね。個人的には本気で欲しい1台です。

由良 :えーと、エコの方向っていうのもとっても大事なのかなと。というよりもですね、自分の足にしているクルマなんですよ。それで乗り出したら、大体想像つくと思うんですけど、東名高速の使用が非常に多いんですね、僕は御殿場にいるもので、東京往復とか。そうやって使うと燃費があんまり良くならない。実はハイブリッドって街中とかではものすごい効果があるんですけど、100km/hくらいの高速巡行になりますとずーっとガソリンエンジンが回りっぱなしになっちゃうんです。そこでの燃費は思ったほど伸びないんですね。ああこれはあとは空気抵抗しかないなと。
それでテーマは“ロードラッグ”。今までは、“ハイダウンフォース、ロードラッグ”だったんですけど、もうダウンフォースは無視。自動車は100km/hくらいで走って危険の無い範囲だったら問題無いっていうことで、ひたすら空気抵抗を、こうしたら減るだろうっていう今までの経験値で勉強してきたことを色々と盛り込んだら、ちょっと未来っぽいクルマになりました。
ですからジオにしろプリウスにしろ、自動車を楽しむっていうことでは、また違う、180度反対側なんですけど色んな楽しみ方ができるんだっていうことを皆さんに提案できたらと思っています。



希望あふれる学生たちによる展示
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鹿島 :東京オートサロンに毎年、たくさんのカスタムカーを出展して、まるで学園祭のような雰囲気でさわやかに盛り上がっているのが、千葉県にあります自動車関連の専門学校、NATS・日本自動車大学校です。軽自動車のカスタムカーから、ユーノス・ロードスターにセルシオのエンジンを搭載したモンスターなオープンカーに至るまで、全て学生の手による手作りのクルマが所狭しと並び、また1940年代のロールスロイスをレストア、復刻する授業の教材…といってももちろん本物なんですけどね、そんなクルマもありました。
日本自動車大学校、教員の川島真人先生にお話を伺いました。

川島 :特に毎年なんですけど、学生たちがクルマを作ると技術の部分だけがクローズアップされがちなんですけど、まずはデザインから始まりまして、このブースの外観や装飾、そしてですね、実はクルマの周りに立っているのは全部うちの在校生なんですけど、接客ですね。このへんのところも実は今年はかなり力を入れてやっています。
あとは(ロールスロイス)シルバーレイスですね。このクルマは本当は今年なんとか完成させようと思ったんですけど、想像以上にパーツが無いんですね。専門的なことで申し訳ないんですけど、ウォーターポンプっていう水を循環するポンプの部品がなかなか手に入らなかったりですね、あるいはアルミだけじゃなくて木の部分があるんですね、そうすると木工作業があったりですね。今回も出展するかどうかかなり迷ったんですけども、途中の段階を見て頂くのもひとつかなと思いまして、この先このクルマが来年のオートサロンに向けてどのような形に仕上がって来るのか、そのへんも実は見所なんですけどね。

エンジン以外は学生によるオリジナル
エンジン以外は学生によるオリジナル
スペース 基本的にはこのロールスロイスだけは別の企画でして、レストアっていうカテゴリになっていますから、今年卒業するまでには完成しないですね。2年計画でレストアを後輩に引き継いでいこうという形になっています。それ以外のクルマはいま10台出ているんですけども、全て車検を取得しまして、このクルマで卒業生たちは実は卒業旅行に出かける予定になっています。
すごく明るい校風ですので、まあ普通、自動車の学校っていうと町の中にあって、実習場がビルの中で展開していくっていう形が多いんですけど、私どもは非常に郊外型でですね、本当に広くて4万7000坪くらいあるんですね。

坪数でいうとイメージしにくいんですけど、大体 東京ドーム3つ入ってさらにおつりが来るくらいの大きさがありまして、学校の中にサーキットがあるんですよ。ですから学生たちは実際に整備作業をして、あるいはカスタムカーの製作をして、最後の走行試験まで学内で実施することができるんですね。それがすごく大きな特長です。

私どもの場合には自動車の整備からはじまりまして、ここに出展していますようにカスタマイズの世界に挑戦する学生もおります。また今のモータースポーツの世界、あるいはトヨタさんでも非常にお世話になっているんですけど、設計とかデザインとか開発。非常に夢を持って学生たちは入ってきておりますので、それぞれの目標に向かって今は一生懸命がんばっているところですね。基本的に学校の就職斡旋を希望することを前提とされている方は25歳以下ということでお話させて頂いているんですが、昨年の体験入学科には、実は70歳の方が、もう定年されて「大好きなクルマをこれから自分の趣味としてやっていきたい」という方も来られまして。まあ今すぐ実現できるかどうかはちょっと難しいところもあるんですが、いずれはそういう年齢の高い世代、もう一回クルマをイチから勉強して、職業ではなく自分の趣味として生かしていきたいという方のためのコースも考えたいなという風には思っております。 スペース 40年代のロールスロイスが教材!
40年代のロールスロイスが教材!

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スポーツカーカスタム復権の兆し