Driver's Salon
 クルマを愛して止まない「彼ら」との対話。それがレーサー鹿島のドライバーズサロン。

リスボンの街に、祇園の天ぷらの香り。
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鹿島 :それから、これは公道といえば公道ですが、道なき道といった方が正しいんですけど、ダカールラリー。世界でもっとも過酷な、自動車やオートバイを使ったレース、通称パリ・ダカでおなじみですけど、これに私もこの番組も何度もお世話になっている片山右京選手が、天ぷら油を精製した燃料を使ったトヨタのランクルで初出場! これ現地行かれてどうでしたか?

島田 :
まず、スタートがポルトガルなんですね。リスボン-ダカールラリーというのが正式な名称なんですが、まあ本当にポルトガル・リスボンの人も街をあげてこのイベントを応援しているんですね。そういった意味ではすごく暖かいものを感じましたし、またそのバイオディーゼル燃料100%で走るという、歴史的に見ても、その瞬間に立ち会ってきたという感じですね。


鹿島 :当然ダカールラリーは、例えば自動車メーカーが、世界中にあの映像が流れますからね、そこで勝つことによってクルマの販売に結びつけようという目的だったり、あとはプライベートで参戦している選手たちが、生きている間に自分の心の中に何か栄冠を掴みとろうとして参戦されていたり色んなスタイルがあるんですけど、片山右京選手のこのランクルのプロジェクトっていうのは“レースとエコロジー”というある意味相反するテーマを考えながらの11日間だったんですかね。

島田 :まさにそうで、自分たちが地球に対して何が出来るか、というのが一番のテーマであると。例えばクルマを運転しながらも、100%の地球に優しい燃料で走るということで、かつそれを完走させるというのが大命題だったんですね。今回は大阪産業大学と産学連携で応援してもらいながら走ったと。しかも完走したデータを来年、再来年の3カ年計画なので生かすことを意識して走った。なので「あまり攻めてない」と彼は言ってましたね。けれどもやっぱり、攻めて無かったのが完走できた大きな理由なので、新しく学習した要素は大きかったと言ってましたね。

鹿島 :2年前に、その京都で精製された天ぷら油の燃料で、ツインリンクもてぎで行われた耐久レースで、初めて私と片山右京選手と他のドライバーで、トヨタのカローラのディーゼルカーでレースに出たんですけど、その時僕は練習走行で初めての運転をまかされまして、正直ピットアウトした時に感動しましたね。こういう時代が来たんだなと。

島田 :うん。

鹿島 :ピットに入ってきたら、後ろを走っていたドライバーから「パン屋のニオイがするんだけど」って言われて(笑)夢があるなーと思って。なんかダブルで感激だったんですけど。

島田 :
まさに今回は、ポルトガル・リスボンの街に天ぷらの香りをほんのり香らせて、アフリカの砂漠へチャレンジしていったということなんですね。


鹿島 :フフフ…。不思議なシーンですよね。

島田 :燃費もすごく良かったって右京選手も言ってましたね。

鹿島 :島田さんは京都ご出身ですから、本当に色んな素敵な街がありますけど、天ぷら油って結構消費されているエリアですよね。

島田 :やっぱり料亭とか飲食関係が多いので、またその京都の人たちも環境に対する意識、京都議定書があるように、何かの形で協力したいという風な意識が多くて。1000箇所の天ぷら油の回収拠点もあるんですね。

鹿島 :すごいですよね。

島田 :そんな取り組みをしている街は、日本には他に無いと言っていいでしょう。そういった意味での新しい試み。言ってみれば、油を集めるところから、燃料を精製・リサイクルしてクルマに入れて砂漠を走って完走する。これは全て初尽くしなので非常に意義あることかなと思っていますね。

鹿島 :このバイオフューエル、バイオ燃料はディーゼルエンジンのクルマにそのまま入れることが出来るわけですけども、ディーゼルというものに関しては、例えばエリアや運転歴ですとか色んな背景によって色々な思いがあると思うんですよね。「環境に悪いんじゃないか」とか「黒煙が出ているぞ」とか。

島田 :そうですね。

鹿島 :だけどヨーロッパの最近の動きを観てますと、例えばル・マン24時間耐久レースでもあるメーカーがディーゼルエンジンで優秀な成績を修めたり! どんどん時代は変わって来ていますよね。

島田 :そうなんですよね。特にヨーロッパに行くとその傾向は強いなあというのは、今回のポルトガルでも感じましたね。

鹿島 :こちらもちょっとこれからしばらく目が離せないですね。右京さんが天ぷら油の燃料でパリダカで上位入賞というシーンが将来見られるでしょうね。

島田 :まあ“天ぷら油のカリスマドライバー”ということになるでしょうね。

鹿島 :なるほど(笑)。

“ギャザリング”の時代へ。
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鹿島 :
最後は島田さんの2007年のプロデュースのお話を。

島田 :
色んなプロデュースがあるんですが、今は京都のプロダクツと海外のイベントをコラボレーションしています。例えばルイ・ヴィトンのパリ歌舞伎公演で京都の老舗のプロダクツを皆さんに楽しんでもらう、というのが企画進行中ですね。


鹿島 :島田さんは色んな雑誌や新聞、それからラジオにもよくご出演されていますので色んなところで皆さんも聴かれていると思いますけど、年々仕事の活躍の幅が広がっています。特にボーダーっていうのは元々無いんですよね。

島田 :今はボーダーも無いし、先ほど“コラボ”って言いましたけど、2007年は“ギャザリング”かなと思っているんですよね。A+B+C+Dを組み合わせて、1+1は2でも4でも無く、4千とか4万くらいのエネルギーを発信するということを今はやってますね。。

鹿島 :なるほど。ギャザリングの時代が登場すると。地元の京都と東京をかなり往復されているようですけどね。

島田 :月に5〜6回は行ってますね。

鹿島 :でもご自分が生まれ育ったところを世界に向けてっていうのは、どこのエリアでも出来ることですし。京都のみならず東京でも大阪でも、あるいはもっと違うエリアでも。夢は広がりますよね。

島田 :あとは、文化を理解しようという意識が年々、世界各国で高まっている感じがしますね。例えば日本の“クールジャパン”というものをニューヨークとかパリの人たちも理解しようとしているし、それをまた彼らに対して正しい情報なりメッセージを伝えるということを意識してやってますね。

鹿島 :きょうラジオを聴かれて、何か自分が持っているもの、あるいは自分の街にある何か素敵なものをね、誰かに発信したいと思った人もいらっしゃるかも知れません。こういう文化を広げて行く時に大切なキーワードですとか心の持ち方ってなんですか。

島田 :やっぱり“驚き”って大切だと思うんですよね。意外性とか。そこにみんなは五感で何かを感じてくれることが多いので、僕はよく言うんですけど、“サプライズ感を大切にしようよ”と。それは感動ってことだと思うんですよね。ワクワクしたりだとか。その辺は言葉が通じなくてもスポーツのプレーでも伝えられるし音楽でもそうだし、歌舞伎でもそうだし。そういうところにウェイトを置いていこうかなという気はしていますね。

鹿島 :ありがとうございました。ぜひまたお越し頂きたいと思います。国内外飛び回ってらっしゃいますから本当にお気をつけて。

島田 :ありがとうございました。

今週のゲストは、『Sports Graphic Number』編集部を経て、
スポーツジャーナリストとして、
また文化事業や地域活性化のプロデューサーとして
活躍中の島田昭彦さんでした。

ドライバーズサロン!
来週も素敵なゲストをお迎えして
お送りしますのでお楽しみに!




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