Driver's Salon
 クルマを愛して止まない「彼ら」との対話。それがレーサー鹿島のドライバーズサロン。

レースあるところイナミネあり!

(6月11日放送)
稲嶺慶一 稲嶺慶一
(いなみねけいいち)

フリーランスの映像ディレクター。
スポーツ専門チャンネルやNHKなどで、様々なモータースポーツコンテンツ制作や自動車関係のプロモーション映像などの制作に携わる。
1990年よりアメリカンモータースポーツの番組制作に携わり、アメリカのほぼ全てのメジャーレースを番組制作。これまでの太平洋往復距離は150万マイルを越える。
「NASCARウィンストンカップシリーズ」では、4年間に渡り番組のレース実況も務めた他、レース写真撮影、レース記事の執筆など番組ディレクション以外の仕事も精力的にこなす。
2006年シーズンは「インディカーシリーズ」他、「世界ツーリングカー選手権」、「スーパー耐久シリーズ」など年間40レースもの番組を制作する。

<これまでの主な制作番組>
NASCAR
CARTワールドシリーズ
IRLインディカーシリーズ
NHRAドラッグレース
パイクスピーク・ヒルクライム
デイトナ500
インディ500マイルレース
ルマン24時間レース
マカオGPギアレース
ダカールラリー
モトGP
スーパーバイク世界選手権
全日本F3選手権
全日本ツーリングカー選手権
スーパー耐久シリーズ
世界ツーリングカー選手権

このコーナでは、レース関係者はもちろん、車を愛してやまない人気アーティストをゲストにお招きして、カーライフやレースのエピソードなど、その人物の本音にレーサー鹿島が迫ります。

今週は、1990年からアメリカのモータースポーツ、CART、INDY、NASCAR、ドラッグレースをはじめ、国内外を飛びまわり取材するテレビディレクターの稲嶺慶一さんをゲストにお迎えします。お楽しみ下さい。



速さのDNAを目撃!
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鹿島 :今週のゲストは、TVディレクターの稲嶺慶一さんです。よろしくお願いします。

稲嶺 :よろしくお願いします。稲嶺でございます。

鹿島 :稲嶺さんは、90年代から、とにかく日本はもとより海外に行っても“必ずいる方”っていう(笑)。

稲嶺 :アハハ! それは何かお互い様って感じもしないでもないですけど。

鹿島 :一時期は、アメリカで非常に人気のある、数十万人のお客さんが来るNASCARの実況アナウンサーをやってたこともありましたよね。

稲嶺 :やってましたね。ちょっと色々な都合がありまして。

鹿島 :フフフ。インディ500は何度も取材をされていると思うんですけど、今までで忘れられない瞬間といいますかシーン、いくつか挙げてもらうと?

稲嶺 :一番最近では今年のインディ500ですね。アメリカでは有名なアンドレッティ家というレースファミリーがいるんですけど、その最初のアンドレッティのおじいちゃん、マリオ・アンドレッティは言わずと知れた元F1チャンピオン。インディでもチャンピオンになったことがあるんですけど、インディ500というレースではたった1回しか勝ったことがなかったんです。その息子のマイケル・アンドレッティというのが出てきまして、またこれが一世を風靡したんですけどなぜかインディ500だけは勝てないでキャリアを終わらせるという風に、なかなか勝てないできたんですけどね。ついにそのマイケル・アンドレッティの息子のマルコ・アンドレッティ、アンドレッティ家の三代目が満を持してこのインディ500に出てきて注目が集まったんですけど、なんとファイナルラップをトップで、1秒以上の差をつけて残り1周に突入したんです。そうしたらその場にいた30万の観客が総立ちですよ。

鹿島 :うーん!

稲嶺 :マルコが自分の前を通るときにみんな歓声をあげるわけです。ですからクルマに合わせて歓声のウェーブが1周2.5マイル、4kmのコースで巻き起こったんですよ。

鹿島 :フフフ・・・、ウェーブがついて回るみたいな。

稲嶺 :いよいよ最終コーナーを駆け上がって、ゴールまで残り200mくらいのところですぐ後ろに迫ってきたのが、過去2回チャンピオンを取ったことがある一番勢いのあるドライバー。その彼もインディ500では7回走って1回もフィニッシュしたことが無かったという無冠の帝王だったんです。そのヤングジェネレーションと無冠の帝王のトップ争いに、場内は本当に鳥肌が立つようなバトルになったんですけど、なんと! ゴールの100m前でそのマルコ・アンドレッティは逆転されて2位に終わってしまったんですねー。これまで自分の欲しいタイトルの無かったサム・ホーニッシュJr.っていう活きのいい選手が勝ったんですけど、まあマルコに向けられる拍手というのは勝者に贈られる拍手以上のものがあったかも知れませんね、その時は。

鹿島 :トップと2位の僅差具合もかなり歴史的なものだったんじゃないですか。

稲嶺 :0.063・・・いくつっていう、まあ肉眼で見てもほとんど真横なんですけど、90年の大会の歴史の中でも2番目の僅差だったというね。

鹿島 :マルコは、よくサーキットでも見かけますけど、彼はインディのクラスに出たのが今年で。

稲嶺 :今年デビューですね。

鹿島 :去年まではね、まあ僕は今年もまた走りますけどインディの1個下のインディ・プロシリーズっていうクラスを走っていてね。どちらかというと可愛い男の子。

稲嶺 :まだ19才ですからね。

鹿島 :一気にこれで自信もつけて。

稲嶺 :やっぱり血はね。速さのDNAっていうのは遺伝するっていうのが証明されたんじゃないかと思いましたけどね。

鹿島 :いやー、ものすごいシーンを目撃してしまったわけですね、現場で。

稲嶺 :今年のインディ500は興奮がおさまらなかったですね。


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取っ組み合いもレースのうち。