Driver's Salon
 クルマを愛して止まない「彼ら」との対話。それがレーサー鹿島のドライバーズサロン。
高橋浩司 2つのF1雑誌の編集長を兼任する男。



久しぶりの全開アタック。
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鹿島 :どんどんF1の世界も様変わりして、新しい方向に動いています。今シーズン2005年はどういうところに注目してみると、よりF1を楽しめるんでしょう。

高橋 :今年は去年に比べてレギュレーション変更が非常に大きかったんですよ。

鹿島 :ルールが!

高橋 :変わりました。日程も変わりました。去年までは日曜日の朝ってセッションがなかったじゃないですか。それが今年からは土曜日に予選1回目をやって日曜の午前中に予選の2回目をやるんですね。その予選1回目と2回目の合算タイムでグリッドが決まる。でも予選2回目に積んだ燃料とタイヤで決勝レースを走らなければいけないと。かなり戦略上の変化が大きいわけで、我々もどこを注目してみようかというのはいろいろ考えていますね。予選1回目、土曜日の予選のほうではグリッドは決まりませんが、ガソリンも軽い状態でフレッシュタイヤで走れると。久しぶりにマキシマムアタックが観られるのかなと。

鹿島 :ははー。全開走行の予選が観られるようになったということですね。

高橋 :それは一つ楽しみなポイントです。あと今年からエンジンが2グランプリで1機しか使えないというルールがありますので、オーストラリアで使って壊れちゃったらペナルティが課せられますが、第2戦マレーシアグランプリでは結構距離を走ったエンジンで戦わないといけない。その辺のエンジンメーカーの開発という意味でも非常に興味がありますね。

鹿島 :走ったらすぐ乗せ換えという時代がずっとありましたので、技術的にはよりシビアになりますよね。

高橋 :そうですね。ハードルはかなり高かったみたいですけど、なんとか各メーカーがそれに向かって最終の調整をしているところですね。

鹿島 :壊れにくいエンジンを作るのが得意なところが急浮上してきたりしないですかね?

高橋 :去年のエンジンの完走率の非常に高かったトヨタなんかは、注目すべきチームになってくると思います。去年は、この時期の目標設定が「ラップタイムが前年からどのくらい上がるんだろう、他はどのくらい上がるからウチはこのくらいだ」という設定が若干甘かったかなというのはありました。今年に関してはその辺の反省を元にしっかりやってくるでしょう。マイク・ガスコインという優秀なエンジニアが入って新しい空力パーツもどんどん投入してきていますし。今年はトップ10常連、表彰台圏内を狙えるチームになるんじゃないかなと思っています。

鹿島 :ミハエル・シューマッハ、F1シーンの帝王。その弟ラルフ・シューマッハがドライバーに入りましたが、ドライバーという面ではどうですか?

高橋 :ラルフ・シューマッハは、本当にハマった時に速いドライバーですね。過去のシーズンに3勝4勝ということは無いにしても、必ず1回2回は良いところを見せますしね。ヤルノ・トゥルーリ選手はルノーから移籍して去年は初優勝していますし、予選とかすごく速いドライバーですので非常に良いコミュニケーションだと思いますね。

鹿島 :2人は仲は良いんですかね?

高橋 :えー…なんとも言えないですね(笑)

鹿島 :フフフフ。ええ!? いいじゃないですか、たまには。

高橋 :まあ、あの…いいんじゃないですか。親友にはならないタイプだと思います。

鹿島 :去年、久しぶりにF1レースをテレビで観たという方も多かったんですが、例えばチームの中に2人のナンバーワンドライバーがいて、19レースの間にどういう順番でくるのか、それによってどういう表情に変わって行くのか、そんなところも中継や雑誌で追いかけていくとスポーツとして楽しむレンジが広がるんじゃないかと思うんですよね。

高橋 :そうですね。10年前だとセナ対プロストとかね。個性の強いドライバー同士のジョイントナンバーワンというのが、レース以外の部分でも我々を楽しませてくれたので、そういう意味での確執めいたものもトピックにはなりますから、我々も非常に楽しみにしています。


『F1速報』『月刊F1レーシング』
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鹿島 :今シーズン2005年に関して、ドライバーやチーム、最新情報や裏情報、今年のキーポイントで教えてもらえることはありますか?

高橋 :キーポイントはやっぱりねえ、タイヤですかね。予選・決勝をワンセットで走るというと、去年までは何回もレース中に交換していたのが、できなくなる。そうなるとすごい距離を走ることになるんですよ。去年は80km走れば良かったタイヤが3倍くらいのライフを求められる。それは正直言って開幕戦のフタを開けてみないとね。フェラーリが強いかどうかというよりも、ブリジストンが強いかどうか、対抗するミシュランがどういうタイヤを用意してきたのか。それが難しいところです。今テストを盛んにやっていますが、業界的には“三味線を弾く”という状況がかなりあるようです。だから開幕戦までは何処が速いのかは分かりません。ただ、耐久レース的な要素も今年は加わるんじゃないかなと思います。

鹿島 :これはまた一つ見どころですね。

高橋 :また新しいF1ということで。スピードは土曜日の予選で観て、決勝は戦略や耐久レースの面白さを堪能できるのかなと思います。

鹿島 :今このお話を聞いていて、ふと思い出したんですけど、そういえば昔、最後の方でタイヤがバーストして優勝目前でリタイアしたシーンとか…。

高橋 :マシンを押してみたりね。

鹿島 :マシンを押してるのありましたよね! あれはなんか涙が出ましたね。あれってガス欠だったんですかね。

高橋 :当時はガス欠が多かったですね。ターボエンジンの頃は燃料規制がありましたから。

鹿島 :バカッ速かったですけど、最後は燃料がなくなって。アラン・プロストがマシン押してましたよね。マシン揺さぶったりとかね。

高橋 :ありましたねー。今のF1だとガス欠になったら1ミリも動かないでしょうけどね。揺さぶってもね。

鹿島 :いろんな話がありますが、高橋さんが編集長を務める、レースの4日後に発売されるF1雑誌『F1速報』。こちらの今年の情報はどうでしょう。

高橋 :今年は19戦を全部速報で出します。その他のシーズンオフとか臨時増刊の『F1速報+(プラス)』というのも去年からスタートして、これも年に4回ほど出したいと思っています。開幕のオーストラリアだけは水曜日発売で頑張ってみようかなと(笑)。まあ開幕の時差がないので毎年頑張っているんですけど。

鹿島 :フフフフ。

高橋 :2月24日に発売になった開幕直前号では、今年のラインナップを総ざらいして今年のシーズンレビューをしっかり特集していますのでぜひ読んでみてください。

鹿島 :もうひとつ、『月刊F1レーシング』のほうはどうですか?

高橋 :そうですね。これは基本的には本家イギリス版の翻訳版なんですけど、F1レーシングじゃなければなかなか取材できないような事柄ですとかインタビューですとか、スペシャルな撮り下ろしの写真ですとか、そういうのが満載です。そちらのほうも本当に“通”のF1ファンの方には見ていただきたいなと思います。

鹿島 :わかりました。またシーズン中も、お忙しいとは思いますがいろんなネタをもってお越しください。本当にありがとうございました。

高橋 :呼んでください。ありがとうございました。



今週のゲストはF1レースの4日後に発売されるF1雑誌
『F1速報』、そして『月刊F1レーシング』、2つの有名F1
雑誌の編集長を務める高橋浩司さんをお迎えしました。

ドライバーズサロン!
来週も素敵なゲストにお迎えしてお送りします。
お楽しみに!



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