Driver's Salon
 クルマを愛して止まない「彼ら」との対話。それがレーサー鹿島のドライバーズサロン。
小林稔 涙があふれて、ファインダーを覗けないこともある。



マイスター小林のデジカメ講座!
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鹿島 :モータースポーツ、レースを撮り続けて27年の小林稔カメラマンに聞きたいと思います。最近はデジカメがものすごく普及して、携帯電話もカメラといっても過言ではないほどの画素数を誇っているわけですけれども、とはいうものの最後の仕上げはテクニックだと思うんですよね。何かアドバイスを。例えばお得意のクルマをうまく撮る方法、お正月に免許とりたての方が晴れ着姿で買ったばっかりの自慢のクルマとのショットを撮ったりと、そういうシチュエーションもあると思います。そういう時に“ここをこうすると”プロっぽくワンステップアップできるよ、という。

小林 :うーん・・・。難しいですね(笑)。まず当たり前のところから言うと、“ファインダーの中を良く見てください”。たぶん撮るクルマばっかり見ていて、クルマが映っていない部分に何があるか、余計なものが映ってるんじゃないかなっていうのが、アマチュアの方だとあるんじゃないですか?

鹿島 :例えば、彼女の顔ばっかり気になって周りが全然見えてなくて、後ろに変なオジサンが映っちゃったりとか。

小林 :そうそう。よくあるじゃないですか。

鹿島 :ありますよね。後で見て、ああーっ! みたいな。

小林 :もうそれで全部ぶち壊しみたいなね。そういうのは結構あったりするんで、ファインダーの中をよく見て。後は自分のクルマを撮るとしたら、クルマの周りをぐるっと周ってみたりして自分の好きな角度を探してみるとか。ただパッと撮るんじゃなくて、右に1mずれればまた違う絵になりますし、左に1mずれれば、もしくは、しゃがめば違ってくる。そういうことをちょっと考えるだけで随分写真が変わってくると思いますけどね。

鹿島 :デジカメの場合は、ファインダーもありますけど小さいモニターもあります。だんだん大きくなってきていてカメラの裏面全部がモニターみたいなものもありますよね。僕は個人的にファインダーを覗きながら撮るのが好きなんですけど、これはどっちがいいんですか? 良いも悪いもないんですかね?

小林 :どちらも良さはあると思うんですけど、僕らはどちらかというと普通に一眼レフなりでファインダーを覗いて撮るのが仕事なんですが、普通のコンパクトなデジカメだとファインダーを覗いたほうがブレないと思います。

鹿島 :やはり。写真とってますと、よく「シャッター押してください」なんて言われるじゃないですか。そうすると「なんでファインダー覗いてるの!? デジカメなのに!」って言われるんですよ。僕、小学校2年のときからカメラが大好きで、カメラがオモチャだった時代があるんですよ。

小林 :あーいいですねー。

鹿島 :小林さんは放送委員だったことがあるということで、もしかすると小林さんと僕は立場が逆転していたかも知れないんですが、まあそれはさておき。どーしてもファインダーを見ちゃうんで、液晶が大きければ大きいほど、なんでファインダー覗いているんだという違和感があるとよく言われるんですよ。でもそれは間違ってない?

小林 :間違ってないと思いますよ。ちゃんと撮ろうとしたらっていうと変ですが、ファインダーで覗いたほうが多分ブレないし、良く見えるんじゃないかな? 確かにモニターで見れば高い位置から撮れたりとかね。

鹿島 :あっ、そういう時はいいですよね。

小林 :いろいろアングルの融通性が高いので、そういう時はいいんですけどね。ブレって意外に大きいです。実はよく拡大してみると…

鹿島 :ブレている。

小林 :ブレているんですねー。ピントが甘いかなっていうんじゃなくて実はそれがブレだったりとか、アマチュアの方には多いようです。

鹿島 :後はなんとなく、デジカメでファインダーを覗いているとプロっぽく見えますからね(笑)。

小林 :ああ、そうですねー(笑)。それは結構大事かもしれないですよね。

鹿島 :脇を締めて。

小林 :そうです! 脇を締める。これは基本ですね。

鹿島 :これを実践して、「何で今までピントが合ってなかったんだろう」ということが、もしかすると改善されるかもしれません。

小林 :そうですね。


50才、これからの夢。
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鹿島 :小林カメラマンご本人は、今年50歳になられます。まったく見えないんですけど。

小林 :自分でもちょっと、本当に50歳かっていう感じなんですけどね。

鹿島 :驚きましたが、ご本人はここから先の人生をかけて達成して行こうという夢は、どんなものでしょうか?

小林 :やっぱりこのモータースポーツの世界で27年やらしていただいて、この世界でずっと自分がやってきたことに対する恩返しっていったら言い過ぎかもしれないですけど、何かそういう役に立つことをやって行きたいと思っています。僕らよりもずっと下のカメラマンもいっぱいいるわけですよね。彼らが仕事をしやすい、いい写真を撮れるような環境を作って行きたいと思いますし。今は日本レース写真家協会という団体がありまして、若い人たちも入ってきているんですが、そういう人たちにも仕事がしやすい環境や現場を作るためにサーキット側と折衝したりとか。今までもやってきたんですが、これからは、よりもっとやって行きたいと思いますし。モータースポーツ全体がもっと活気づいて、お客さんがみんな観に来てくれて我々も仕事が気持ちよくできて、もちろんレーシングドライバーたちも気持ちよくね。そういう良い環境にする手助けが出来ればなと思っています。

鹿島 :色々これからもご活躍を期待しております。

小林 :ありがとうございます。

鹿島 :僕もいつかは、小林カメラマンに泣きながら表彰台の写真を撮ってもらえるようなドライバーになりたいと思っています。ありがとうございました。

小林 :ぜひ! ありがとうございました。


今週のゲストは、レースの写真を撮り続けて27年!
『CAR GRAPHIC』のカメラマンを経て、国内外を飛び回る
熱きベテランカメラマン、小林稔さんでした。

ドライバーズサロン!
来週も素敵なゲストにお迎えしてお送りします。
お楽しみに!



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