Driver's Salon
 クルマを愛して止まない「彼ら」との対話。それがレーサー鹿島のドライバーズサロン。
安岡秀徒 バーレーン、イギリス、イタリア、千葉が故郷!



本場イギリスで自分を磨いた。
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鹿島 :若くして苦労もされているわけですけど、その後はまた、今度はイギリスですか?

安岡 :“フォーミュラカーを始めるのはイギリス”っていうのは、カートを始めた中学生の頃から決めていて。カートのヨーロッパ選手権とイギリスでフォーミュラを始めるっていうのは、僕の2本柱の計画の外せないポイントだったので。やっぱり居心地がいいのはイギリスだなっていうのは何年経っても感じていたことなので、帰りたいという気持ちが強かったですね。

鹿島 :「行く」というより「帰る」という気持ち。

安岡 :そうですね。友達もおりますし、やりやすい環境。なんというかリズムが合うというか雰囲気が僕にピッタリなんですよね。

鹿島 :千葉よりイギリスですか?

安岡 :千葉もいいんですけどね、はい(笑)

鹿島 :2002年に憧れていたイギリスのフォーミュラのシリーズ、シングルシーターチャンピオンシップで見事チャンピオンを取って。そしてスカラシップシステム(奨学制度)で、上のクラスにステップアップを、これがフォーミュラフォード。どうでしたか?

安岡 :開幕戦がアイルランドのサーキットでありまして、1周が約2分のコースで僕はトップの選手から約4秒遅かったですから。

鹿島 :うわ、ちょっとショックだったんじゃないですか。

安岡 :これはやっぱりレベルが違うなっていうのが最初の印象で。それからはコツコツ自分が遅い部分を、例えば「ギアチェンジだけでも1周1秒遅いぞ」ってインストラクターに言われてましたので、そういう部分をちょっとずつ詰めていって。その結果が、僕としては集大成がフォーミュラフォード・フェスティバル。1年に1度あるフォーミュラフォードの世界一決定戦だったんですけど、予選で妨害じゃないですがうまく行かなくて、追い上げのレースになったんですけど。うん。なかなか苦戦しました。

鹿島 :終わってみれば年間ランキングは3位。最初の大会は4秒も差があったのに、終わってみればその強豪の中で、ルーキーで年間3位っていうのは良かったんじゃないですか?

安岡 :ルーキーで最上位でしたし、やっぱり1年間を通して僕はどんどん速くなっていっていて。2勝しか出来なかったので結果は伴わなかったなと思っているんですけど、でも自分が勢いを得ていく、そしてどんどん速くなっていって、速く走るのとレースで勝つのは別のことですので両方が実現できて自分の将来に自信がつくというか。本場イギリスで評価されるって言うのは僕にとって非常に大事なことなので嬉しかったですね。


そして僕はF1ドライバーになる。
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鹿島 :そして、今シーズンは日本のフォーミュラトヨタに参戦をして、見事、参戦初年度でシリーズチャンピオンを獲得。バーレーンで幼少の頃を過ごし、イギリスだったりイタリアだったり、レース活動のメインをイギリスでやってきて。アスリートの世界では、モータースポーツに限らず日本特有のスポーツ社会があると思うんですよね。そういう意味では戸惑いはありませんでした?

安岡 :ありましたね。イギリスだと殆どのチーム、まあフォーミュラフォードの話なんですが、やはり家族なんですよね。監督がお父さん、監督の奥さんがお母さん。メカニック以下ドライバーみな兄弟じゃないですけど(笑)。

鹿島 :まさにファミリー。

安岡 :ファミリーで凄くワイワイガヤガヤ。もちろん隣のファミリーとも親しくしますし。ご近所付き合いじゃないですけど。

鹿島 :フフフ。

安岡 :他のチームのバーベキューとか、主催者のパーティーとか凄く仲良くやるんです。やはりそういう雰囲気が日本にはあまりないので、良く言えばプロフェッショナル、悪く言うとちょっと冷たい感じがあったので最初は戸惑いました。ただ次第に自分がフォーミュラトヨタの中でシリーズの中心になっていったことで、より安岡秀徒のフレーバーが入っていったんじゃないかと。走りだけじゃなくて雰囲気も良くなったんじゃないかなと思いますけどね。

鹿島 :影響力を持ったってことですよね。

安岡 :そうですね。

鹿島 :最終戦の鈴鹿のレースで僕は不思議な光景を見ました。安岡秀徒選手はちょっとトラブルがありまして途中でリタイア。その後一旦レースが中断されますよね。チームメイトで同い年の嵯峨宏紀選手の初優勝がかかっているシーンだったわけですが、スタートを待っている嵯峨選手のところに行って手を握り合っていました!?

安岡 :へへっ。そうですね。僕はフォーメーションラップでギアが割れてしまってスタートすら出来ませんでしたので、自分が勝てないなら、もう残すは宏紀が勝つか武田さん(もう1人のチームメイト)が勝つしかないと思っていましたので。彼は2番手でしたので、僕の「気」で。

鹿島 :あれはオーラを送っていたんですか?

安岡 :僕があのレースにかけてた意気込みや思いは凄く強かったんですね。ましてや6番手からなんて、僕にとっては嬉しくてしょうがない。抜きたいし抜くのが大好きなので。それでやる気マンマンだったのに、スタートシグナルすら見ずに終わってしまったので自分の中にエネルギーが余っていて。もうどうしようって感じで。これは(気を)渡すぞって感じで。それで実際にスタートでトップに立ってくれましたので。

鹿島 :効きましたね。

安岡 :僕はスタートでは無理かなって思っていたんですけどね。ポールポジションスタートだった石浦選手が、1回目ではいいスタートを切ってましたので。嵯峨くんにはスタート以外で絶対1台なら抜ける方法を教えました。

鹿島 :おおーっ!

安岡 :2番手のやつにしか出来ないのを。例えば僕自身が2位になってトップが宏紀でも、自分は抜くぞと思ってましたので、そういった時に使う手を教えました。

鹿島 :うわ、それ後で教えてもらえないですかね(笑)。

安岡 :はい、後で(笑)。まあ非常に抜き難い東コースだったので。

鹿島 :鈴鹿の東コースは本当にオーバーテイクが難しいサーキットですからね。そして安岡選手の目標はフォーミュラワン、F1というわけですけれども。

安岡 :F1チャンピオンです!

鹿島 :F1チャンピオン! なんですけれども、これは現状で、大体何年後くらいだなと?

安岡 :そうですね。トヨタのFTRSというスカラシップシステムというものに来年度から入りますので、非常にF1が近いと感じていますね。元々は2006年もしくは2007年と目標を決めてましたので、予定通り2007年には乗れるかな? なんて思っているんですけど(笑)

鹿島 :フフフ。来シーズンは、今シーズンのF3チャンピオンチーム、インギングモータースポーツから出場するわけですから、これはもう体制としては申し分ないですね。

安岡 :本当にもう嬉しくて。自分が望んでいたチームだし、クルマも乗りたかったクルマですので。本当に幸せだし運があるなと思っています。

鹿島 :今日はありがとうございました。

安岡 :ありがとうございました。




今週のゲストは幼少の頃から中東バーレーン、
イギリス、イタリア、千葉と国内外を飛び回ってきた、
2004年フォーミュラ・トヨタのチャンピオン。
2005年シーズンはF3のチャンピオンチーム、
あのインギングから全日本F3選手へ出場。
日本期待21歳のレーサー、安岡秀徒選手でした。

ドライバーズサロン!
来週も素敵なゲストにお迎えしてお送りします。
お楽しみに!



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