Driver's Salon
 クルマを愛して止まない「彼ら」との対話。それがレーサー鹿島のドライバーズサロン。
島田昭彦 世界が舞台のスポーツジャーナリスト 



史上稀にみる兄弟対決!
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鹿島 :また3年前の話になりますが、トヨタのF1プロジェクトがスタートしたころ、クルマも作ってエンジンも作ってというスタイルでF1に打って出ました。当時の番組のウェブサイトのコピーがあるんですが、島田さんは『レースに王道なし』という発言をされています。まあそうそう簡単にはいかないよと。実際3年間トヨタのF1を応援してきて、かなり苦労があるようですが、ある意味当然ですよね。

島田 :そうですね。これは本当にデータの積み重ね以外の何物でもないですよね。エンジニアにもドライバーにも蓄積が必要。そしてタイヤとの兼ね合いもあるし。すべての積み重ねの上に成り立つ結果だと思いますよね。けれども前進はしてますよね。確実に。

鹿島 :来年のドライバーがヤルノ・トゥルーリ、そしてラルフ・シューマッハ。日本人ファンが非常に多くて、そして、一気に若返った感じがします。

島田 :特にラルフに関しては、非常に期待しています。というのは、やはり兄貴がミハエル・シューマッハですから非常に引き継いでる部分が多いと思いますね。積み重ねという意味でいうと、兄弟での情報交換のやりとり、インタラクティブなやりとりは非常に優位ですよね。

鹿島 :その辺ってどうなんですかね? F1に限らずどのスポーツでもそうなんですが、実際に同じフィールドで同じ時間帯に、実の兄弟が戦うというのは…

島田 :これはねぇ、興味深いですね。それぞれがどういった情報交換しているのか、そしてどのくらいの情報が行き来しているからこそ、兄貴と弟の成績がこうなっている、というのは非常に興味深いですね。

鹿島 :かなり仲のいい兄弟だと昔から言われていますから、我々が想像できないような部分までいろんな情報交換がされているかも知れないです。ただレース中、弟のラルフ・シューマッハが兄貴に対してものすごくアグレッシブに攻めている時がありますよね。

島田 :ありますね。あれは観ていておもしろいですよね。モータースポーツの頂点と言われるF1で、同じDNAを引き継ぐ兄弟が戦っているというのは、もっとも見どころのあるポイントだと思いますね。

鹿島 :なかなかないですよね。そしてもう1人、ヤルノ・トゥルーリ選手。若いといわれていますが経験豊富なベテラン。先日の鈴鹿の予選もキッチリ6番手という成績を残していて楽しみです。

島田 :楽しみですね。


ウチの子もアスリートに!
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鹿島 :島田さんはこれまでスポーツの取材で訪れた国が50カ国、200都市以上。最近はどこへ行かれました?

島田 :最近はイタリアです。つい先週帰ってきたばかりなんですが、これはサッカーでした。

鹿島 :サッカーの世界も本当にどんどんレベルアップしてますよね。

島田 :そのとおりですね。パスのスピード、正確さ。ヨーロッパがハイレベルと言われていたんですが、そこに南米の選手が入り、アジアからも卓越した選手が来ていますから、これはグローバルなレベルになってきていますよね。

鹿島 :先日も、中田英寿選手が久しぶりにフルレングスで出場して2アシストを決めたなんてニュースもありましたが、中田選手が海外に行ったばかりのころって何をやっても動きが速く鋭く感じたんですが、最近はそれが普通に見えてしまうくらい若手選手が育ってきていますよね。

島田 :いまピッチに立っている選手以外でも、これからどんどん日本人選手がセリエAやスペインやイングランドのピッチに立つ環境が整ってきています。これは低年齢から本場でプレーしているというのが大きいですね。まず「パスを回せ、お前にパスを出す」という言葉がその国の言語で言えないと何も始まりません。それに限らず日常生活からすべて合宿状態ですから、その辺りのコミュニケーションができているかどうかだと思います。

鹿島 :オリンピックも含めいろんなスポーツで日本人選手の活躍を目の当たりにして、今まさに小さいお子さんをもった親の世代では、子どもをプロのアスリートにしようという方が身の回りでも増えてきているんですよ。「ものすごく稼いでくれるんじゃないか」みたいな理由もあり(笑)、後は自分たちが成し遂げられなかった夢を託そうなんていう。モータースポーツの世界だと、レーシングカートをやっている子のお父さんお母さんの熱の入れよう。アレを見て思うのは、親の世代のスポーツに対する理解が深まっている気がしますね。

島田 :昔は、勝った負けただけを追いかけていた。それが80年以降、『ナンバー』が出てからは、勝つために何をするべきか、そのプロセスを伝えるメディアが出てきた。それを読んだ世代が30代〜40代に分布しています。そうなると自分たちの子どもにどうやったら勝つための方法を教えられるかという風になっていきますよね。

鹿島 :それを含めて、環境がよくなって来てますよね。

島田 :そうですね。あとはテレビメディアで海外のサッカーやレースが観られるという環境面も大きいと思いますね。

鹿島 :う〜ん、確かに。またぜひお越しいただいて、いろんなお話を聞かせてください。

島田 :はい。よろしくお願いします。

鹿島 :ありがとうございました。


今週のゲストは、2001年11月以来、実に3年ぶりの登場です。
スポーツ取材歴13年、訪れた国は50カ国200都市以上。
『スポーツグラフィック・ナンバー』編集部在籍中から
モータースポーツを中心にコメンテーターとして活躍。
独立した現在もコメンテーターとしてはもちろん、
『モノマガジン』など雑誌のコラムでも活躍する島田昭彦さんでした。

ドライバーズサロン!
来週も素敵なゲストにお迎えしてお送りします。
お楽しみに!



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