Driver's Salon
 クルマを愛して止まない「彼ら」との対話。それがレーサー鹿島のドライバーズサロン。
荒聖治 世界を制した男が登場!



決意、結束のマラソン!
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鹿島 :今年4回目のチャレンジでルマン優勝。日本人が勝ったというのもニュースなんですけど、日本のチームが優勝したというのもすごく久しぶりです。

荒 :そうですね。'91年でしたっけ?

鹿島 :はい。マツダが優勝して以来の快挙です。このチームを率いるオーナー監督の郷さん。この方とは荒選手は長い付き合いですよね。

荒 :そうですね。本当にこの人なしでは、この郷さんなしでは僕は存在しないのではないかというぐらい、僕にとってはとても大きな存在です。

鹿島 :以前、荒選手が高校を卒業するかどうかぐらいの頃に、郷さんに筑波サーキットかどこかで会ったという話を伺った記憶があります。

荒 :僕が郷さんと一緒に始めるキッカケとなったのは、'94年にフォルクスワーゲンカップというゴルフのワンメイクレースに参加したからなのです。このレースは僕にとっての原点じゃないかなと思います。このレースに郷さんも出ていたんですね。その時に一緒のレースで戦ったことが、今こうしてこの関係ができるキッカケになったんです。

鹿島 :朝日新聞だったと思うんですけど、郷監督を取り上げられた記事の中で、「最新型のクルマを古いゴルフに乗った10代の若者にバーンと抜かれた瞬間に、この人に、この青年に賭けてみようかと思って、自分はステアリングを置いた」というような趣旨のことが書かれてあったと思うんです。まさにそのことですね。

荒 :そうですね。

鹿島 :あれから10年経っていますけれども、その間も郷さんにはいろいろなレースにチャレンジさせてもらっていますよね。

荒 :そうですね。本当に極端な話、'94年のワーゲンカップの後というのはお世話になっています。アメリカで初めてフォーミュラカー、フォーミュラ・フォードを使ったバーバー・ダッヂというレースに出させてもらいましたし、日本に戻って来てからも、いろいろとアドバイスをもらったりしています。

鹿島 :その郷さんと組んで、世界のこれだけ大きな大会で優勝したというのは、一言では言えないものがあると思うのですが…。

荒 :……ホッとしたというのが正直なところです。やっぱり、これだけの体制を与えてくれたわけですからね。ルマンの表彰台の下には何万人という人がいるんです。あの台の上の一番高いところに郷さんを連れていけてよかったなというか、ホッとしたなという気分が大きいです。また今年一緒に乗ったドライバーが、元々トヨタのドライバーで、日本でGTとかにも乗って活躍していたトム・クリステンセンなのです。彼の6度目の優勝という記録もかかっていたので、いろいろな意味でホッとしました。

鹿島 :そういった体制、ベテランドライバーとのジョイントで、最後にゴールを担当したわけですね。

荒 :今回レースが始まるにあたって、走る前にドライバー3人で、誰が予選をやって、誰がスタートをやって、誰がチェッカーをきるか。これを3人で役割をしっかり決めて、お互いにちゃんと責任を果たすという決めごとをしてからレースに臨みました。今回もっとおもしろいのは、レース前にルマンのサルテ・サーキット、1周およそ14qでしたっけ?あそこをドライバー3人+エンジニアでマラソンしたんです。

鹿島 :ハハハ。

荒 :ドライバー同士が信頼関係、気持ちを確かめ合う。これから頑張ろうという意味を込めて、気温30度以上あたっと思うんですけど走りました。結構きつかったですよ。


鹿島 :最後はバトルになりませんでしたか?

荒 :やっぱり、最後のフォードシケインを抜けてからは子どものように一気にダッシュでした。ここの舗装は変わっていないけど、ペイントは新しいなみたいなことを話つつ、最後のダッシュにかけるスタミナはとっておこうみたいなそんなことを考えながら走っていました。

鹿島 :おもしろいですね。みなさん、アスリートですからね。誰が勝ったのですか?

荒 :その時は、やっぱりトムが勝ったかな。



世界を制した、その後に・・・
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鹿島 :ルマンの栄冠、世界を制したわけですが、今後の目標や夢として、もう1回ルマンというのはあるのですか?

荒 :そうですね。これだけこのレースに対してターゲットをおいてずっとやってきたのですから。勝てるレースというのを今年できたわけなので、このあとチャンスがあれば2回でも3回でもまた出て、あの場所に戻って、あの上で一番高いところに昇りたいなというのが僕の目標ですね。

鹿島 :過去にルマンに出られたドライバーの方から、とにかく1度出たらその理由がわかるからと、何度も言われたことがあるんです。そこにはどんなものがあるんですか?

荒 :24時間って、決して全力で走り続けるものにとっては短い時間じゃないですよね。それを本当に全力で走り続ける。それから、このレースはドライバー1人だけが頑張ればいいというものじゃないんです。エンジニアからメカニックからタイヤメーカーまで、もうすべての人が本当にいい仕事を全力でしないと結果が残らないレースだと思うんです。そういう意味では、ただ機械的に走るということだけじゃなくて、みんなで同じ方向を向いて力を合わせてベストを尽くすという意味で、なんかいい雰囲気というか、本当に独特の感覚がありますよね。このレースにはね。

鹿島 :それからもう一つ、トヨタのスープラで参戦している全日本GT選手権。これは国内の耐久レースのトップカテゴリーなのですけど、これも5月にSUGOで行われた第2戦で優勝して、現在ランキングが2位。しかもポイント差が1ポイント。今年はなんかグングンきていますよね

荒 :そうですね。今年は本当に流れがいいと思います。チームにもチームメイトにも恵まれていると思うので、大事にしたいですね。

鹿島 :ぜひチャンピオンを取って、またシーズンオフにいろいろとエピソードを聞かせて下さい。ありがとうございました。

荒 :はい。ありがとうございました。





今週のゲストは、先月フランスで行われた伝統の1戦、
ルマン24時間耐久レースで、日本人として9年振り
2人目の総合優勝の栄冠に輝いたトヨタの
GTドライバー荒聖治選手でした。

ドライバーズサロン! 来週も素敵なゲストの方を
お迎えしてお送りいたします。どうぞお楽しみに!!



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