Driver's Salon
 クルマを愛して止まない「彼ら」との対話。それがレーサー鹿島のドライバーズサロン。

ファイト、闘志が見えた!!

(5月4日放送)
天野雅彦天野雅彦



1961年 東京都杉並区生まれ。慶応義塾大学卒業後、某商社に勤務。商品に大きな利ざやを乗っける商売が肌に合わず、前年に落ちていたレース誌編集部を再度受験し、転職。鈴鹿でF1日本GPが初開催された87年には、レーシング・オンのF1速報第1号の編集を務める。翌88年、念願かなってレーシング・オン編集部に異動、グラチャンとアメリカン・レース、2年目は全日本F3000とアメリカン・レースを担当、IMSAキャメルGTシリーズの最終戦、カリフォルニア州デル・マー(サンディエゴ近郊)でのアメリカン・レースで、南カリフォルニアの空気、日差し、そして超オープンなパドックや、ドライバー、チームメンバーたちの魅力に打ちのめされ、フリーランスでやっていくことを決意。編集部を退社し、90年1月に渡米。デイトナビーチに3ヵ月、インディアナポリスに6ヵ月間住んで、全米各地で、さまざまなカテゴリーのレースを取材。2年目の91年は丸々1年間デイトナビーチに住み、3年目からは、日本とのコミュニケーションを密にするため、東京をベースに、毎週のようにアメリカに通う生活パターンに変更。毎年30レースほどを取材。取材シリーズは、92年まではスポーツ・カーのIMSAキャメルGTシリーズ、93年からはCARTシリーズ、今年からIRLインディカーを全戦、空いた週末にNHRAドラッグレース、NASCARウィンストン・カップ、USACスプリント&ミジェット・カーなどなど、他のカテゴリーに出かけるスタイルを採る。93年から2002年までのCARTシリーズで欠席したのは、95年のミルウォーキー1戦のみで、アメリカ人プレスを含めても最多なことがちょっとした自慢。

このコーナーでは、レース関係者はもちろん、車を愛してやまない人気アーティストをゲストにお招きして、カーライフやレースのエピソードなど、その人物の本音にレーサー鹿島が迫ります。

今週のゲストは先週に引き続きまして、モータースポーツ取材歴15年、「東京中日スポーツ」「Racing On」を始めとする数々の媒体でライターとしてはもちろんのこと、カメラマンとしても活躍中の天野雅彦さんです。じっくりお楽しみください。


すごいなあと思えばいい。
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鹿島 :今週もゲストはこの方です。

天野 :こんばんは、天野雅彦です。よろしくお願いします。

鹿島 :よろしくお願いします。天野さんがオススメするレース観戦スタイルというのは、どんなものですか?

天野 :なんていうんですかね。わらなくてもいいというか、アメリカの場合は「わからなかったら、聞けばいい」というのがあるんですよ。それに比べて日本の場合は「わからなければ、引っ込んでろ」と言われちゃうんです。「おめ〜、そんなことも知らねえのかよ〜」って言われると、もうアウトなんですよね。

鹿島 :しょんぼりしちゃいますよね。

天野 :アメリカの場合はすごい質問が出ますから。ちょっといい例が浮かびませんけど、「それを今まで知らなかったんですか・・・」というのもアリなんですよ。自分が見ておもしろいと思えばおもしろいわけで、それを特に「これはどうか」とかビビってはいけないというかね。オーバルレースなんかは、単純にスピードがすごいんですよ。平均時速が300qですからね。

鹿島 :トップスピードはどのくらいですかね。

天野 :たとえば、インディで370〜380q出ているはずなんですね。だから単純にスピードだけ見てもすごいんですよね。ちょっとなんかあれば、アッ!っと思っている間に壁に到達しているわけですから。そういうところを見てもすごいわけです。だからすごいなあと思ったら、すごいなあと思えばいいんです。

鹿島 :フフフ。

天野 :なんていうのかな、「本当にすごいのかな?」と心配しないでいいと思うんですよね。日本はホントに難しくするのが好きで困るんですよ。たしかに、知れば知るほどすごさがわかる部分もあります。でも、そこに全員が行く必要はないんです。

鹿島 :はい。

天野 :同じ場所で定点観測するのもいいですけど、レース中に動くのも楽しいですよ。たとえばもてぎだと、今年のレースに関しては8回クラッシュがあったうちの7回までがターン3(スリー)側なんです。そうすると、じゃ来年はターン3に行こうと思うと、逆だったりするかもしれないじゃないですか。

鹿島 :フフフ、はい。

天野 :今年それだけ事故が起きたということは、来年は注意するかもしれない。そうすると戦略が変わって、ターン3・4は我慢して、ターン1で抜くというセオリーになる場合もある。相変わらず、3・4の方が難しいからぶつかるということもある。まあアクシデントだけを期待して行くわけじゃないですけど、アクシデントが起きる理由は、それだけギリギリの走りと戦いがそこにあるからなんです。

鹿島 :真剣勝負を観ることができるポイントというわけですね。

天野 :そうですね。ターン1に陣取って観ていたんだけど、イエロー(コーション)が出たらターン4にチラッと観に行って戻ってきても、たぶんもう1回座れると思います。耐久レースじゃないので、ピットも観て、何コーナーも観て・・・みたいな全部は無理だと思いますけど、ちょっと動けば、またいい感じのところもあると思うんですね。

鹿島 :やっぱり、なるべく生で観てほしいですよね。

天野 :そうなんですね。特にオーバルレースは、一回生を観ていないとあのイメージが湧きにくいと思います。テレビを見ていて「すごいなあ」ともし思えたら、その人は非常にイマジネーションが優れているか、テレビがかなり頑張っているんだと思います。ある意味それはいい感じではあるのですが、やっぱりテレビは自分でボリューム調整しちゃいますから、インディカーの音をじかに聞いているのとは違いますよね。



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