Driver's Salon
 クルマを愛して止まない「彼ら」との対話。それがレーサー鹿島のドライバーズサロン。

あまのじゃくから始まった

(4月27日放送)
天野雅彦天野雅彦



1961年 東京都杉並区生まれ。慶応義塾大学卒業後、某商社に勤務。商品に大きな利ざやを乗っける商売が肌に合わず、前年に落ちていたレース誌編集部を再度受験し、転職。鈴鹿でF1日本GPが初開催された87年には、レーシング・オンのF1速報第1号の編集を務める。翌88年、念願かなってレーシング・オン編集部に異動、グラチャンとアメリカン・レース、2年目は全日本F3000とアメリカン・レースを担当、IMSAキャメルGTシリーズの最終戦、カリフォルニア州デル・マー(サンディエゴ近郊)でのアメリカン・レースで、南カリフォルニアの空気、日差し、そして超オープンなパドックや、ドライバー、チームメンバーたちの魅力に打ちのめされ、フリーランスでやっていくことを決意。編集部を退社し、90年1月に渡米。デイトナビーチに3ヵ月、インディアナポリスに6ヵ月間住んで、全米各地で、さまざまなカテゴリーのレースを取材。2年目の91年は丸々1年間デイトナビーチに住み、3年目からは、日本とのコミュニケーションを密にするため、東京をベースに、毎週のようにアメリカに通う生活パターンに変更。毎年30レースほどを取材。取材シリーズは、92年まではスポーツ・カーのIMSAキャメルGTシリーズ、93年からはCARTシリーズ、今年からIRLインディカーを全戦、空いた週末にNHRAドラッグレース、NASCARウィンストン・カップ、USACスプリント&ミジェット・カーなどなど、他のカテゴリーに出かけるスタイルを採る。93年から2002年までのCARTシリーズで欠席したのは、95年のミルウォーキー1戦のみで、アメリカ人プレスを含めても最多なことがちょっとした自慢。

このコーナーでは、レース関係者はもちろん、車を愛してやまない人気アーティストをゲストにお招きして、カーライフやレースのエピソードなど、その人物の本音にレーサー鹿島が迫ります。

今週のゲストは、モータースポーツ取材歴15年。「東京中日スポーツ」「Racing On」を始めとする数々の媒体で、ライターとしてはもちろん、カメラマンとしても活躍中の天野雅彦さんです。じっくりお楽しみください。


スクールバスのレースに大笑い!
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鹿島 :今週のゲストは天野雅彦さんです。よろしくお願いします。

天野 :よろしくお願いします。

鹿島 :天野さんはアメリカのモータースポーツに関してすごい取材歴をお持ちでいらっしゃいます。

天野 :苗字と一緒でひねくれているものですから。

鹿島 :と言いますと・・・!?

天野 :"あまのじゃく"ということですね。ちょっとヘンなんですけれど、F1ブーム真っ盛りの頃にレース雑誌を辞めて、急にアメリカに行きたくなったんです。まあ、前フリはあったんですけれどね。それで、アメリカに行ったらアメリカのモータースポーツは非常に奥が深いものですから、毎週違うレースに行くみたいな感じで、いまだに行っていないものが随分あるんですね。まあ、アメリカにしてよかったなという感じはありますね。

鹿島 :レースの種類、カテゴリー、クラスで言うと、何種類くらい取材されていますか?

天野 :どうですかね。大ざっぱに言って、インディカー、NASCAR、ドラッグレース、スポーツカー、そういうところから始まって、アメリカにしかないスプリントカーとかミゼットカーみたいなやつとか。笑えたのはスクールバスのレースとかね。

鹿島 :えっ!? ちょっと待ってください。スクールバスのレースなんてあるんですか?

天野 :オーバルコースの余興なんです。スクールバスって、ボロくなったのは500ドルくらいで買えるらしいんですよ。それをプロモーターが集めて、有志を募って走るんです。ちっちゃいオーバルコースにスクールバスが2、3台並んだりするんで、けっこうおもしろいんです。

鹿島 :へえー。

天野 :レースに行こうと思っていたら、地元のラジオから「スクールバスレース、今週開催!」と言われて偶然知ったんですよ。これは行くしかないだろうと思って、プロモーターのところに早めに行って、「あの、偶然聞いたんだけど、日本の雑誌だからぜひ!」と言ったら、シールみたいなプレスパスをくれたんです。そしたら、バスを見せてくれたんですね。「エンジンをかけるから」と言われて、かけたらいきなりバッテリーのあたりから火が出ちゃったりとかね。かなり笑えるレース取材でした。

鹿島 :ハハハ。これ、ちなみにどんな方がドライバーなんですか?

天野 :地元の新聞記者とか、ラジオやテレビの人とかです。プロのメインレースの前に"おちゃらけ"でやるんですけれど、大きいので迫力があるんですよ。エンジン音はちっちゃくて、「プシュー」と言っているだけなんですけれど。運転は基本的に素人がしているので、コーナーで頑張りすぎてヨタッとかすると、揺り戻しがあったりします。もう、いきなりアクセルをバーッと離してドキッ、みたいな感じの動きをバスがするので、それも笑えましたね。

鹿島 :でも、そういうレースがあること自体が、アメリカのモータースポーツの奥の深さですね。

天野 :そうですね。観たことはないんですけれど、たとえば芝刈り機のエンジンのレースとかね。

鹿島 :フフフ。それはどんなレースなんですか?

天野 :芝刈り機もちゃんとした乗り物じゃないですか。アメリカのは、押すやつじゃなくて乗っかっちゃう芝刈り機なんですね。エンジンをチューニングしたりして、レースをしたりするんですよ。だったらもうちょっとちゃんとしたレースをやれば?って思うんですけれど、それもありというか、何でもレースするんです。

鹿島 :たまたま馬を持っていたから競争しちゃいました、のノリですかね。

天野 :そうですね。なんか、「オレのがエライ、オレのが速い」というか、そういう感じ。V8のエンジンを10個積んで走るだけという奇妙なレースもあるじゃないですか。あんなの別になくてもいいと思うんですけれど、やってますよね。



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これだね、オレは!