Driver's Salon
 クルマを愛して止まない「彼ら」との対話。それがレーサー鹿島のドライバーズサロン。 
飯田章 何が何でも、チャンピオンを獲る!

なんでこんなことをやってきたんだろう・・・
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鹿島 :GTレースというのは、2人でペアを組んで長い距離を戦っていく。独特の面白さと難しさがあると思うのですけど、いかがですか?

飯田 :ある程度、500でトップクラスを走るとなると、ドライバーの技量とかはあまり変わってこないわけですよね。そこでチームとのコミュニケーションだとか、ドライバーの人間性、性格みたいなものが出てくると思うんです。

鹿島 :合う合わない、みたいな・・・

飯田 :そうですね。2人のドライバーがバトンタッチしながらやるので、チームワークを上手く作っていかないとダメですね。シリーズだとか、本当に最後の1ポイントの争いになると、そういうところがすごく効いてくるのかなって気がします。

鹿島 :レースのことを詳しく研究されていない方は、単純に2人のドライバーが同じ事をやっていると思われるでしょう。でも、実際は役どころがあって、タイヤを傷めないようにガソリンを使わないように走ることをやらされる事もあれば、ただ、ひたすらアクセルを踏み込んで、トップを追いかけるという役どころの時もありますよね。

飯田 :性格的なものもありましてね。スタートに向いているとか、後半に向いているとか。僕らの場合は、僕がある程度の経験を積んでいるからみたいなのがあって、『スタートを章にやらせたほうが、難なく帰って来るだろう』という作戦。ある程度のところまでもって帰ってくれば、あとは、もう一人のドライバーがゴールまでつなげるという感じでです。まあ、『絵に描いた餅』みたいなところもあるんですけど、それが食べられるか食べられないかというのもあるんですけどね。

鹿島 :ハハハ。今年、ペアを組んでいた選手が脇阪寿一選手。今年、2人はどういう役どころだったのですか?

飯田 :基本的には、僕がスタートで前半を燃費走行して脇阪につなぐわけですけど、その給油時間がすごく緊張なんです。

鹿島 :ガソリンを入れる時間ですね。

飯田 :ええ。あのレースでは、コース上で稼ぐ1秒2秒よりも、給油のタイミングで稼ぐ2秒3秒というのが大事なんです。止まっている時間をいかに短くするというか。それをどうしたら実現できるかというと、前半でなるべく燃料を使わないで帰って来るという方法しかないんですね。その中でも、速く走ってこなければいけないというのがあって、一番きつい仕事ですね。

鹿島 :なんか、見た目は地味ですけど・・・。

飯田 :ホント、1シーズン終わって振り返ってみると、『なんでこんなことをやってきたんだろう・・・』というのは、ありますよね。

鹿島 :でも、そこで踏みとどまらなくて、言われたパーセンテージより多く上げちゃうと、チームとして勝てない。

飯田 :走っていると、周りからくるんですよ。そこを我慢してぶつからないように、コースアウトしないように、とにかくコース上に残って、スタートした時よりも一台でも前でピットに戻ってくるという仕事をどれだけこなせるかです。うん。

鹿島 :はい。

飯田 :大人にならないといけない。もちろん、熱くはなっているんですけども、かつ、冷静で速く走るという。これはもうホントに経験でしかないんですよね。

鹿島 :やっぱり、昔は出来なかったのですか?

飯田 :最初の頃は、出来なかったですね。振り返ると若かったのかなというか、経験不足だなというのはありますね。

鹿島 :勢いだけではいけない世界ですね。

飯田 :そうですね。やっぱり、頭脳プレイ。どのスポーツもそうなんですけど、頭脳プレイですよね。



これで獲れなかったら・・・しょうがないかな。
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鹿島 :意外だったのですけど、全日本GT選手権でのチャンピオンは、初めてなんですね。

飯田 :今までチャンピオンを取ってもおかしくないぐらいの状態までいってたんですけど、結局、結果は残っていなかったんですね。

鹿島 :それだけに取った瞬間というのはどうでしたか? 泣いてましたよね。

飯田 :どうしても今年は欲しかったですし、チャンスだと思ったんですね。”チャンピオンを獲る! ”だから、もう何が何でも、誰が何を言おうとも、自分に言い聞かせてチャンピオンをとにかく取るんだと考えていましたね。

鹿島 :最終戦までもつれ込みましたから、最後のレースは、ものすごく緊張とかプレッシャーとかいろいろあったんじゃないですか?

飯田 :やれることって限られていますから。スタート前に脇阪とも言ったんですけど、「ここまでやって来て取れなかったら、来年、また取ればいいや」と。それぐらいの気持ちでスタートして、予選をクリアして、レールの上には乗ったわけです。

鹿島 :はい。

飯田 :決勝。僕がスタートして、最初、NSXには抜かれたものの予定通りに帰って来て、あとは、寿一がどういう仕事をして帰って来るかだけだったので、これで取れなかったらしょうがないなと、最後は思いましたね。

鹿島 :それだけいい仕事を2人ともしたという事ですよね。

飯田 :そうですね。

鹿島 :来シーズンは、どういう予定なんですか?

飯田 :今年と変わらず、同じ体制でいけると思います。

鹿島 :オフシーズンをどう過ごすか、いろいろプランを立てていると思うのですが・・・

飯田 :そうですね。欲を描いてもしょうがないので、今年と同じような仕事が出来ればいいなと思っています。1月には、趣味でオートサロンに出展します。

鹿島 :来年、1月10日〜12日。幕張メッセですよね。ラジオを聴いて行かれた方には、何か特典を付けてください。

飯田 :あっ、いいですよ。『ラジオを聴いたよ』と言ってくれたら、サイン入りステッカーをプレゼントします(笑)。

鹿島 :ありがとうございます! ぜひまたお越し下さい。チャンピオンおめでとうございます。

飯田 :ありがとうございます。



 

今週のゲストは
今、日本で最も人気の高いレース、
全日本GT選手権で
トヨタスープラでチャンピオンを獲得した
レーシングドライバー・飯田章選手さんでした。

ドライバーズサロン!
来週も素敵なゲストの方をお招きいたします。
どうぞ、お楽しみに!!

 

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