Driver's Salon
 クルマを愛して止まない「彼ら」との対話。それがレーサー鹿島のドライバーズサロン。 
 





鹿島 :黒澤さん、CARTのマシンって歪んでいるんですよね。

黒澤 :歪んでいるっていい表現ですね。壊れたクルマみたいに斜めになってますからね。タイヤも左右の大きさが違いますし、上から見るとホイールベースも違います。それからキャンバーも違います。

鹿島 :元々、オーバルコースを走る為の・・・。

黒澤 :そうですね。簡単に言えば、クルマが傾いてます。広い駐車場みたいなところで、ハンドルに手を添えないでただアクセルだけ踏んでますと、その場をグルグル回るようになっています。

鹿島 :ははは。

黒澤 :これが・・・、僕も馴染むまで時間が掛かったんですけど、普通は直線では力は入れないですよね。カーブでハンドルを切る時に力を入れますよね。それが反対なんです。

鹿島 :といいますと?

黒澤 :クルマが左回りをするように出来ているので、コーナーリングの時は力はいらないんです。ハンドルに手を添えるだけです。ターンをする時と、ターンをして戻る時に力を入れるんです。あと、直線では右に切っていなければいけないんです。オーバルという楕円形のコースだけのセットアップは変わっているんです。

鹿島 :これは慣れるまで凄く違和感があるんじゃないですか?

黒澤 :かのF1ドライバーのナイジェル・マンセルも、最初にオーバルでCARTに乗った時は、1周してこのクルマは壊れているって言ったそうですよ。

鹿島 :フフフ。特殊な世界ですよね。ところで、今回、もてぎでコースの各所にチームのウエアを着た人が立っていまして、いろいろ無線で指示を出していました。

黒澤 :もてぎでいいますと、グランドスタンドの更に上、VIPルームよりも更に上の天井に、全部を見渡してクルマをコントロールするスポッターというのがいるんです。高台から、ラジコンをやっているような感じです。

鹿島 :アメリカの方では、チームクルーとドライバーの無線のやりとりをスタンド席にいるお客さんも聴く事が出来るという話を聞いたんですけど・・・

黒澤 :そうなんです。僕は出ていたので聴いてないですけどあるんです。有料か無料かわからないんですけど、ラジオを借りられるんです。それで周波数をチームのチャンネルに合わせてると、無線が聴けるんです。

鹿島 :これは面白いですね。究極のファンサービスですよね。

黒澤 :自分達もクルーの一員になったような感じでレースを見られるという。でも、僕等ドライバーは困ります。放送禁止用語とか・・・別に公共の電波ではないですけど、です・ます調になっちゃって・・・

鹿島 :ハハハ。今、クルマの調子はバッチリでございます!みたいな、フフフ。

黒澤 :(前の車を)抜いてもよろしいでしょうか? なんてね。

鹿島 :ハハハ。英語ですからそれほど極端な敬語はないでしょうが、気を使うでしょうね。

黒澤 :結構ヤバイのあるみたいですよ。僕がテレビで見たのは、ポール・トレーシーにマイケル・アンドレッティーがぶつけられて、「この○○○野郎!! 」。






鹿島 :CARTレースに興味を持たれた方が、これからレースを見に行こうとする時に、黒澤さんのオススメのコースというとどこでしょうか?

黒澤 :アメリカで僕が個人的に好きなのはストリートコース、いわゆる市街地でやるレースですね。僕が走ったのは、ロスにあるロングビーチとカナダにあるトロント、そしてデトロイトです。普段は一般道として使用している道を、900馬力近い化け物が走るわけですよ。普通の交差点を曲がってね。その迫力は面白いし、ビルがあるとビルに反響して倍の音になるんですね。

鹿島 :迫力ありますね。普通では考えられないスピードで街中を走っているわけですからね。

黒澤 :それが、レースが終って僕等が着替えて帰る1時間後ぐらいには、もう普通の道路になっているんですよ。お客さんはさっきCARTマシーンが走った、まだレースの余韻が残っているところを通って帰るんです。ストリートコースは本当に面白いですね。

鹿島 :ホントに。

黒澤 :特に地元の人は、自分達が普段通勤で使っている場所でレースが行われるわけですから。

鹿島 :いやあ・・・。いろいろなお話ありがとうございます。又、来週お越し頂いて、今度は国内のレースのお話などをお伺いしたいと思います。

黒澤 :わかりました。ありがとうございました。



今週のゲストは、日本を代表するトップレーサーの一人、黒澤琢弥選手でした。
ドライバーズサロン! 来週も黒澤琢弥さんをお迎えしてお送りいたします。どうぞお楽しみに!!

 

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