Driver's Salon
 クルマを愛して止まない「彼ら」との対話。それがレーサー鹿島のドライバーズサロン。 



(5月20日放送)


WGPライダー阿部典史選手と
取材先・台湾にて

-Profile-
1964年3月1日生まれ。87年立教大学卒業。91年より文藝春秋 スポーツグラフィック・ナンバーの編集に携わる。フランス・サッカーW杯、シドニー五輪、NBA、F1GPなど,スポーツの最前線の感動を伝えるために海外のスタジアムを飛び回り、またあるときは、野球、競馬取材のため国内を飛び回り、アスリートの真の姿を切り取り、最高の感動を、最高の形で読者に伝える毎日。
インタビューを通じて選手達とも親交があり、フィンランドでは荻原健司のクロスカントリーのトレーニングに付き合い、伊達公子とはキッズテニスの視察で中国へ、世界GPライダー阿部ノリックと台湾に行ったり、ローマではジョカト―レとワインを飲んだり・・・。

  このコーナでは、レース関係者はもちろん車を愛してやまない人気アーティストをゲストにお招きして、カーライフやレースのエピソードなど、その人物の本音にレーサー鹿島がせまります。

今週のゲストは、先々週に続きまして、雑誌、スポーツグラフィック「Number」編集部の島田昭彦さんです。じっくりお楽しみください。



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鹿島 :今週のゲストは、「Number」編集部の島田昭彦さんです。よろしくお願いします。

島田 :よろしくお願いします。

鹿島 :世界で活躍する日本人選手についてお伺いしたいのですが、まず、大リーグです。大変な事になってますね。

島田 :数年前からスポーツファンの間では、いつイチローがメジャーリーグに行くのかという事が話題になっていました。ついに、今年、2001年に行きました。そして、最初からいい結果を出してますね。

鹿島 :素晴らしいですね。

島田 :専門的な目から彼のバッティングを見てみますと、どのコースが来ても打ち返せるんです。日本ではピッチャーが、何処に投げていいかわからないと音を上げていた状態でした。それがアメリカでは内角の球が死角だという事で、そこを狙われている部分がありますネ。

鹿島 :はい。

島田 :やはり、日本の野球よりも分析力は優れていますから、リサーチをして分析して、そのデータをピッチャーは持っています。それでイチローの弱点というのも見抜かれていると思います。

鹿島 :現在は大活躍ですが、これから第一、第二の壁があらわれるということですか?

島田 :そうですね。ただ、彼は順応性が非常に高いアジャストの天才、と僕は呼んでいるんですが、どんな球が来ても打ち返せる・・・学習能力が高くんです。内角を攻められても、それを打ち返す為の技術を短期間で修得していると思いますね。

鹿島 :次はレースの話をお伺いします。日本人のレーシングドライバーが海外でチャンピオンになるためには、どんなモノが必要ですか?

島田 :かなりたくさんの要素が必要になって来ますね。たとえば、言葉の問題。これは必要不可欠です。英語だけではダメです。ワールドGPのライダーなんかは、イタリア語も完璧に話せますから・・・。ジャーナリストも半分ぐらいがイタリア人で、イタリア語で質問してきます。その時にちゃんと切り返せるように、また、そこでジョークが言えたり、そういう事が出来るようにならないと一人前とは言えないです。

鹿島 :ファンにも認めてもらえない。露出が無くなっちゃうんですね。

島田 :日本語で答えますと、映像上カットされちゃったりしますから。イタリアではイタリア語、イギリスでは英語と、それが出来て始めてスタートラインに立ったといっていいと思います。テクニック以前の問題です。挨拶の言葉から感謝の言葉まで、深く掘り下げて話が出来ないといいマシーンが作れないんです。これは、どのスポーツでも同じです。

鹿島 :コミュニケーションの他にはどんな要素が必要ですか?

島田 :あとは、食事なんです。どんなモノでも食べられる。食べて力が出せる。ドライビングテクニックなどをいえばきりがないですし、ドライバーごとに能力の差はあると思います。ですから、文化的な部分でどこまで入っていけるかです。パスタを毎日食べても飽きない自分がそこにいるかどうかです。

鹿島 :レースに集中しなければいけない時に、非日常を感じてはいけないという事ですね。

島田 :そうなんです。逆に海外から日本に来た選手は、納豆からみそ汁まで日本食をしっかり食べられないと、力が出せないですよね。レースで戦う以前のベースを作るところは、日常の生活であり、食生活だと思うんです。

 

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表彰台の上を日本人3人で占める。